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香川復活弾!!被災地支援のため欧州組が集結しドルトムントとチャリティーマッチ

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[5.17 東日本大震災復興支援慈善試合 ドルトムント2-1欧州日本人選手選抜 デュイスブルク]

 被災地を支援するため、ドイツを中心に欧州で活躍する日本人選手が一堂に集結した。東日本大震災復興支援慈善試合が17日にドイツのデュイスブルクで行われ、欧州日本人選手選抜と、ブンデスリーガで優勝した日本代表MF香川真司所属のドルトムントが対戦。試合はドルトムントが2点を先取。欧州組選抜の一員として出場した香川が1点を返したが、1-2で敗れた。右足第5中足骨骨折で長期離脱していた香川にとっては、2得点を挙げた1月21日のアジア杯準々決勝・カタール戦(3-2)以来、116日ぶりとなる実戦でのゴール。海を越えたドイツから日本の被災者へ勇気と元気を届けた。

 「がんばろう日本!」と書かれた日の丸をモチーフにした白地に赤いラインの入ったユニフォームを着た欧州組選抜。試合前にはドルトムントから被災地支援のための義援金が贈られ、チームを代表して香川、DF内田篤人(シャルケ04)、MF長谷部誠(ボルフスブルク)が受け取った。

 欧州組選抜は中盤をダイヤモンド型した4-4-2を採用。日本代表のGK川島永嗣(リールス)が参加できなかったため、GKはドルトムントのヨハネス・フォシェルが務めた。DFラインは右から内田、細貝萌(アウクスブルク)、槙野智章(ケルン)、相馬崇人(コットブス)。中盤は1ボランチに長谷部、右に赤星貴文(ポゴン・シチェシン)、左に岡崎慎司(シュツットガルト)、トップ下に香川が位置し、FW森本貴幸(カターニア)とFW矢野貴章(フライブルク)が2トップを組んだ。キャプテンマークを巻いたのは日本代表で主将を務める長谷部ではなく、香川。監督は、かつてジェフユナイテッド市原やブランメル仙台でプレーし、横浜FCや福岡で監督を歴任したリトバルスキー氏が務めた。

 21日にドイツ杯決勝を控える内田は試合開始50秒でDF安田理大(フィテッセ)と交代。立ち上がりは慈善試合ながら本気で向かってくるドルトムントに攻め込まれ、前半8分に先制点を許した。左サイドを崩され、大きなサイドチェンジから最後はPA手前右からMFマルクス・フォイルナーにグラウンダーのミドルシュートを決められた。

 前半11分には欧州組選抜がチャンスをつくる。赤星の左CKから混戦となり、最後はゴール前右でフリーの森本につながるも、シュートはDFに阻まれた。すると同12分、カウンターから2失点目を喫した。ドリブルで駆け上がってきたFWダミアン・ル・タレクに槙野と細貝の両CBがつられ、ル・タレクの横パスから最後はフリーでFWダニエル・ギンチェクがシュート。立て続けの失点で0-2とリードを広げられた。

 反撃に出る欧州組選抜は前半20分、右サイドでキープした森本がPA正面の香川へパス。香川がターンからDFをかわし、GKとの1対1に持ち込む。このシュートは惜しくもサイドネットに外れたが、同35分、待望のゴールが生まれた。

 長谷部のスルーパスに抜け出した岡崎がPA内でMFフロリアン・クリンゲに倒され、PKを獲得。これを香川が冷静にゴール右に突き刺し、1点を返した。ゴールを決めた香川は直後にドルトムントサポーターの大歓声を背に受けながら、MFミヒャエル・ルンメニゲと交代。同41分には赤星に代わり、MF名波浩が出場した。

 後半に入り、欧州組選抜は矢野に代わって、C大阪などでプレーしたFW西澤明訓が出場。対するドルトムントはほとんどの選手を交代。若手中心のチーム編成となり、クロップ監督の息子でドルトムントの下部組織(4部相当)でプレーするMFマルコ・クロップもピッチに入った。

 欧州組選抜は後半12分、浦和でプレーしたルンメニゲの左CKに走りこんだ岡崎が頭で合わせたが、ゴール上へ外れる。その後は往年のスター選手が次々と出てくる展開となり、同18分、森本に代わってFW城彰二、同20分には西澤に代わってFWフランク・オルデネビッツが登場。93、94年シーズンのジェフユナイテッド市原の2トップが再現された。

 後半22分には相馬に代わり、かつて浦和でプレーし、監督も務めたDFギド・ブッフバルトが出場。槙野とCBを組み、細貝が右SBに回る。同35分には岡崎に代わって、ドイツのエンターテイナーであるクロック氏が出場し、会場を盛り上げた。同38分にはルンメニゲに代わり、かつてケルンに所属し、1978-79シーズンの欧州チャンピオンズカップ(現欧州CL)でアジア人として大会史上初のゴールを決めたMF奥寺康彦が登場。ブンデスリーガ2部のボーフムでプレーするFW鄭大世もベンチに入っていたが、2日後の19日に入れ替え戦が控えているため、出場はなかった。

 試合はそのまま1-2で終了。試合後はスタジアムに集まったサポータからJAPANコールの大合唱が起こる中、選手たちは「we are all together すべての力をひとつに。」と書かれたJAPANブルーのTシャツに身を包み、場内を回った。

[写真]試合後、サポーターに応える香川

(文 片岡涼)

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