beacon

エース永井2G1A!!U-22日本代表、ロンドン第1関門へ弾みの逆転勝ち!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6・1 国際親善試合 U-22日本代表 3-1 U-22オーストラリア代表 東北電ス]

 “関塚ジャパン”、ロンドンへ向けて弾みの1勝! 国際親善試合のU-22日本代表対U-22オーストラリア代表戦が1日、新潟県新潟市の東北電力ビッグスワンスタジアムで開催され、日本がエースFW永井謙佑の2発と交代出場のFW大迫勇也のゴールにより3-1で勝利。6月19日と23日にロンドン五輪アジア2次予選でクウェートと対戦するU-22日本代表は、逆転勝ちでロンドンへ向けた第1関門への弾みをつけた。

 A代表のペルー戦とダブルヘッダーで行われたU-22代表戦。昨秋に発足した“関塚ジャパン”の国内初の国際親善試合は見事な逆転勝ちに終わった。この日の日本は4-2-3-1システム。GKが権田修一でディフェンスラインは右から酒井宏樹濱田水輝村松大輔比嘉祐介。中盤の底の位置に山村和也と山口螢が入り、右MFが清武弘嗣、左MFが原口元気、トップ下に東慶悟。1トップは永井謙佑が務めた。

 5月30日の合宿初日にDF鈴木大輔、試合前日の同31日に酒井高徳がそれぞれ足の違和感を訴え「テストマッチ」を欠場。最終ラインの主力候補2人を失って試合を迎えたチームは立ち上がり安定感を欠いてしまう。前半3分、日本は左CKのチャンスからクリアボールを拾われると、カウンターの対応を誤ったディフェンス陣が左サイドを完全に崩され、最後は中央でフリーだったFWニコルスに先制ゴールを流し込まれた。

 その後も右MFサーナック、左のイェシッチにサイドの局面を破られた日本は立て続けに決定的な場面をつくられてしまった。ポジションチェンジを繰り返す相手の巧みな攻撃とパワーに押し込まれ、やや引いて耐える時間が長かった日本だが、それでも原口のドリブル突破やキープ力の高い清武、東を起点に反撃する。21分には清武のヒールパスから東が左足シュート。23分には右サイドを駆け上がった酒井宏のシュート性の右クロスがクロスバーを叩いた。

 DFからのくさびのパスでミスを繰り返すなど自陣でボールを失う回数の多かった日本だが、GK権田のビッグセーブやクリアボールがクロスバーを叩く幸運にも救われ、1点差のまま試合を進める。なかなかPA内で崩す場面をつくることができなかったものの、前半ロスタイムにワンチャンスをゴールへと結びつけた。敵陣中央右寄りの位置でセカンドボールをおさえた山村がドリブルで前進。相手CBと右SBとの間を突くスルーパスに右サイド外側から飛び込んだ永井が快足を活かしてDFを振り切ると、そのまま右足でGKの右上を射抜き、同点ゴールを決めた。

 前半終了間際の同点ゴールで劣勢を挽回した日本は後半、前線のアタッカー陣がスピードを活かしてオーストラリアゴールを次々と強襲。流れを引き寄せる。6分に清武が左足のドリブルシュートを放つと、11分には鋭いドリブルで中央突破した原口の右足シュートがゴール左ポストをかすめた。また、ゾーンから人につける形へとディフェンスシステムを変更した日本は安定さを欠いた前半から打って変わり、完全に試合を支配する。

 そして原口とFW山崎亮平を入れ替えた直後の18分だ。左サイドで相手DFを猛烈な加速でチェイスした永井がGKへのバックパスに追いつき、飛び出してきたGKの頭上を破る右足ループシュート。これがゴールへと吸い込まれて日本は逆転に成功した。

 昨年の第16回アジア競技大会で得点王を獲得し、日本を金メダルへと導いたエースの2発。その後も永井は圧巻のスピードでオーストラリアディフェンス陣を切り裂いた。24分に東のスルーパスに反応してからのシュート、そして27分に個人技で左サイドを打開した永井の折り返しに山口が飛び込んだ場面はいずれもゴールに結びつかなかった。

 だが相手のミスパスを中盤で奪ってはカウンター攻撃を繰り返す日本は、権田が抜群の安定感を発揮したこともあり、1点リードを保ち続ける。そして迎えた39分、勝敗の行方を決定付けるダメ押しゴールを挙げた。右サイドへポジションを移していた永井の右クロスに飛び込んだのは31分から出場していた大迫。鮮やかなスライディングボレーにGKは一歩も動くことができず、決定的な3点目が入った。

 試合終了間際にはMF山本康裕とDF吉田豊を投入して守りきり、3-1で勝利。09年U-20W杯に出場していた5選手が先発した実力派のオーストラリアに逆転勝ちし、ロンドン五輪予選へ向けて貴重な白星を勝ち取った。

(取材・文 吉田太郎)

TOP