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カナダで涙をのんだ「調子乗り世代」、チェコに5年越しのリベンジ狙う

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 5年越しのリベンジだ。7日のキリン杯で対戦するチェコに対し、特別な思いを抱いている選手たちがいる。07年にカナダで開催されたU-20W杯。決勝トーナメント1回戦でPK戦の末、敗れた相手がU-20チェコ代表だった。

 当時のU-20日本代表で今回のメンバーに招集されているのはDF槙野智章(ケルン)、DF内田篤人(シャルケ04)、DF安田理大(フィテッセ)の3人。いずれも4バックのレギュラーとしてU-20日本代表を引っ張ってきた。チェコ戦では槙野が先制点を決めたが、後半に2-0から追い付かれ、PK戦では1人目の安田が失敗。涙のPK負けに終わった。

 明日のチェコ戦は槙野が3-4-3の左CB、内田は右サイドハーフでの先発が濃厚だ。リベンジの舞台は整った。内田は「どんなチームであれ、大会であれ、負けたくはない。槙野くんが燃えているようなので、槙野くんに頑張ってもらいたいです」と冗談めかしながら静かに闘志を燃やした。

 槙野は先発となれば、原博実監督代行が指揮を執った昨年9月7日のグアテマラ戦以来9ヵ月ぶりで、国際Aマッチ3度目。「今までクラブでも出場機会がなかった。サッカーを楽しむことを考えて、今シーズンたまっていたものをぶつけたい」。1月のアジア杯はケガのため、直前にチームを離脱。その後移籍したケルンでもわずか5試合の出場(うち先発は1試合)にとどまった。この半年のうっ憤をぶつけるには願ってもない相手だ。

「勝利に値するプレーを見せて、気持ちを前面に押し出してプレーしたい。(ゴール後の)パフォーマンスも期待されていると思うので、皆さんが喜んでもらえるようなことをしたい」

 4年前のU-20W杯では「ビリーズブートキャンプ」や漫画『ドラゴンボール』の「元気玉」や「かめはめ波」などド派手なパフォーマンスを披露し、日本国内だけでなく、現地のカナダでも人気を集めた「調子乗り世代」。フル代表の舞台でチェコに借りを返すときが来た。

(取材・文 西山紘平)

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