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“シーズンラストマッチ”に燃える内田「1年の成長を見せる」

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 左太腿打撲でペルー戦を欠場したDF内田篤人(シャルケ04)は右サイドハーフでの先発が確実。「足は大丈夫。監督が細かく言っているところが浸透すれば、うまくいくと思う」と打倒チェコに意欲を燃やした。

 短期間の猛レッスンに戸惑う選手が少なくない中、内田は3-4-3の習得に自信を見せている。3月のチャリティーマッチでも「最初でこれだけできればいい」と手応えを口にしていたが、今回も「そんなに難しいことを言っているわけではない」と、ツボを押さえているようだ。

 ポイントはボールサイドにいるサイドハーフがいかにボールにアタックしていけるか。

「5バックが悪いわけではないけど、奪ったときに低い位置にいるより高い位置の方がいい。逆サイドはDFラインに入るときは入るので、ボールサイドの選手がボールにアタックしていかないといけない」

 前に位置するFW本田圭佑(CSKAモスクワ)、後ろのDF吉田麻也(VVV)との関係性についても「すべてがうまくいくとは思っていない。失敗しながらでいいと思っている」と課題が出ることをいとわない姿勢を見せた。

 W杯予選まで残り2試合。「練習でいくらやっても、試合でドンと一発やったほうがチームにとってもいいと思う。できるだけ成功したいとは思っているけど、100%は無理だから、うまくいかない時間帯をどう乗り切るか。相手が強くなれば自分たちの時間帯は少なくなる。そういう中で我慢できる力も必要かなと思う」。ペルー戦を欠場した分、チェコ戦の中身を濃いものにしようという意欲にあふれている。

 昨年の6月6日。岡田ジャパンが南アフリカで練習を開始したその日、直前まで絶対的レギュラーの座に立っていた内田は、完全にサブ組に回された。W杯イヤーに入って絶不調に陥り、レギュラーを剥奪され、葛藤の日々を送ることになった。チームがベスト16に入り、日本中が沸き返る中、失意の内田は新たな成長の場を求めてドイツに渡った。その後1シーズンの成長は語るまでもない。

「もう1年? 早いなぁ。この1年でどう変わったのかを見せたい。この1試合ですべて見せられるとは思いませんが、とにかくいいサッカーができればいい。これで本当にシーズンが終わりですから、ここで死んでも問題はない。くたばっても問題はないから、頑張りますよ」

 内田が静かに闘志を燃やした。

(取材・文 矢内由美子)

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