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3-4-3を90分間貫くも遠いゴール…ザックジャパンは2戦連続スコアレスドロー

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[6.7 キリン杯 日本0-0チェコ 日産ス]

 日本代表は7日、日産スタジアムでチェコ代表と対戦し、0-0で引き分けた。1日のペルー戦(0-0)に続いて3-4-3を採用したザックジャパン。この日は3-4-3を90分間継続し、攻守に一定の改善は見えたが、2試合連続の無得点に終わった。3チームが2分の勝ち点2(得点0、失点0)で並んだキリン杯。史上初となる3チームの同時優勝で幕を閉じた(日本は大会4連覇)。
 昨年10月8日のアルゼンチン戦(1-0)で初陣を飾ったザッケローニ監督は、就任からの国際Aマッチ連続無敗記録を10に更新。さらに岡田武史前監督が指揮していた昨年6月24日の南アフリカW杯・デンマーク戦(3-1)以降、国際Aマッチ14試合連続無敗(8勝6分、PK戦は引き分け扱い)となり、代表史上歴代1位の記録をさらに更新した。

 日本はペルー戦から先発5人が変わり、DF吉田麻也、DF内田篤人、DF長友佑都、FW本田圭佑が今大会初先発。左かかと痛のFW前田遼一に代わり、FW李忠成が国際Aマッチ初先発を飾った。
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 ペルー戦の前半で多くの課題を残した3-4-3。特に両サイドハーフが下がり過ぎて守備時に5バック気味になった問題には修正の色が見えた。ゴール前まで押し込まれない限りは最終ラインも最大で4枚に保ち、高い位置からのアグレッシブな守備でチェコにプレッシャーをかけて相手のミスを誘う。しかし、チェコもGKチェフのロングキックなどシンプルに攻撃を組み立て、日本のプレスをかわした。

 前半7分にはチェフのパントキックが日本のゴール前にまで到達。DF伊野波雅彦が目測を誤り、ピンチを招くが、GK川島永嗣が何とか抑えた。同9分にはDFカドレツの右FKからDFライノフがヘディングシュート。長身選手が並ぶチェコはセットプレーでも脅威を発揮し、日本は簡単にシュートを打たれた。

 ペルー戦と比べればサイドハーフが高い位置を取れるようになったものの、なかなか効果的な崩しの形を見せられない。チェコの守備組織の手前で窮屈そうにパスを回し、ミスを連発した。

 前半11分、本田が左足で直接狙ったFKは壁を直撃。同12分、高い位置でボールをカットした本田からパスを受けた長谷部の右足ミドルもゴール右に外れた。その後もボールポゼッションは高めるが、チェコを攻めあぐね、逆にカウンターからヒヤリとさせられた。

 前半37分、ゴールほぼ正面の位置で獲得したFK。本田と見せかけ、MF遠藤保仁が右足で狙ったキックは枠を捉えていたが、チェフの好セーブに阻まれた。結局、流れの中からゴール前で決定機をつくることはできず、前半は0-0で折り返した。

 ペルー戦は後半開始から4-2-3-1に変更したザッケローニ監督だったが、この日は後半に入っても3-4-3を継続した。後半5分、右サイドからピンチを招くが、何とかクリア。同7分には逆にセットプレーからチャンスをつくり、左サイドのショートコーナーから本田のクロスを李が折り返し、フリーの吉田が頭で捉えたが、ヘディングシュートはゴール上に外してしまった。

 後半13分、左サイドからカットインしたDF長友佑都が自ら右足で狙うもゴール左へ。1点の遠い日本は後半18分、遠藤、伊野波に代えてMF家長昭博、DF槙野智章を投入。システムは3-4-3を変えず、そのまま槙野は左CB、家長はボランチに入った。

 なかなかリズムを変えられない日本だが、徐々に足の止まり始めたチェコを押し込んでいく。後半33分にはこの日最大の決定機をつくり、本田の左クロスをファーサイドから走り込んだFW岡崎慎司がヘディングで下に叩き付けたが、GKチェフが至近距離でビッグセーブ。ゴール前に詰めた李のシュートも再びチェフのセーブに阻まれた。

 チャンスはつくりながらチェフの牙城を崩せず、0-0のまま試合は終盤へ。後半44分、本田の直接FKもゴール上に外れ、直後に岡崎に代えてFW関口訓充をピッチに送り込んだが、最後までゴールが遠く、2試合連続のスコアレスドローに終わった。

(取材・文 西山紘平)

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