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U-22代表、五輪予選前最終戦を5発快勝!!

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[6.8 練習試合 U-22日本代表5-0湘南 保土ヶ谷]

 五輪予選前最終戦は5発快勝! U-22日本代表はロンドン五輪アジア2次予選のクウェート戦(19日、23日)へ向けた関東合宿最終日の8日、湘南ベルマーレと練習試合を行い、MF山崎亮平の先制ゴールとFW大迫勇也の2ゴールなどにより5-0で快勝。ロンドン五輪予選初戦へ向けた最後の対外試合を快勝で終えた。

 関塚隆監督が「きょうは非常に集中していた。自分たちのやるべきことをやってくれた」と評価し、08年北京五輪代表監督の湘南・反町康治監督も「前線のプレーのスピードとランのスピードは(北京五輪のチームよりも)速い。(昨年10月に練習試合で対戦した)アジア大会の前よりも大人のサッカーになってきた」と成長ぶりを認めていた。6日からの関東合宿で行ってきたトレーニングの確認であり、また選手たちにとっては10日に発表される五輪2次予選メンバー発表前最後のアピールの場でもある一戦は、課題を残しつつも、周囲の評価も得る試合内容だった。

 U-22代表はこの試合、合宿初日にチームから離れた鈴木大輔と酒井高徳が不在だったのに加え、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦出場のため、主将のMF山村和也とDF比嘉祐介、GK増田卓也の流通経済大所属の3選手も欠場。ボランチに山本康裕、左SBに吉田豊を配置する4-2-3-1システムで臨んだが、立ち上がりは湘南に主導権を握られた。

 同じくU-22世代のMF菊池大介とSB鎌田翔雅が繰り出す湘南の右サイドからのスピードある攻撃やFW高山薫の力強いキープの前にU-22代表は劣勢だった。9分には菊池にCBとSBとのギャップを突くスルーパスを通され、18分にはカウンターから菊池のアーリークロスに飛び込んだ鎌田にあわや失点の形をつくられた。

 U-22代表は全体的にボールを引き出す動きが悪く、判断の遅れたパスをカットされてカウンターを食らう場面が目立った。試合の入り方が悪く、開始3分で失点した1日のU-22オーストラリア代表戦同様、攻撃の形をつくれないまま時間が経過。だが、関塚監督が「どこから行く(攻める)のか見極めるに時間がかかる。狙いを持っていれば問題ない」と振り返ったように、劣勢でも落ち着いてチャンスを待ち続けた日本は、ファーストシュートをゴールへと結びつけた。

 前半20分、U-22代表はゾーンで守る相手にパスコースを限定されながらも、右サイドで速いテンポのショートパスをつないでから永井が右クロス。中央のDFを越えてファーサイドまで届いたボールを山崎が頭で合わせると、シュートはGKの頭上を越えてゴールへと吸い込まれた。これで試合の流れをつかんだU-22代表はさらに23分、中盤でのインターセプトから東とのパス交換でフリーとなった山本がドリブルで一気に前進。PA付近まで持ち込んでから右前方へ絶妙なラストパスを送ると、右MF清武弘嗣が左足ダイレクトでゴールへと流し込んだ。

 U-22代表はこの日絶大な存在感を示していた山本がシンプルにボールを捌き、フリーで前を向く選手を次々と生み出す。「3トップとトップ下の4人に(攻撃を)任せるのではなく、真ん中にひとりいないと厳しい」と山本があらゆる局面に顔を出して数的優位をつくり出した。全体的にトラップミスでボールを奪われたり、縦パスの精度を欠くような場面もあったが、前半の半ば以降はそれぞれの技術の高さを活かしてボールを支配。ゆっくりとDFラインでボールをつなぎながら、局面ではスピードを一気に速めて湘南の守備網を攻略した。オーストラリア戦で2ゴールを決めた永井のスピードを活かした攻撃の回数は少なかったものの、永井ら前線からのディフェンスもはまり、湘南に思うようなサッカーをさせなかった。

 U-22代表がメンバー7人を入れ替えた後半は湘南も大きくメンバーチェンジ。この影響もあってか、U-22代表は相手のミスに乗じて得点を重ねた。12分にはMF大津祐樹が右タッチライン際を個人技で打開し、左後方のMF原口元気へ折り返す。これを受けた原口が縦に仕掛けてゴールライン際からクロスを送ると、中央でフリーだった大迫が頭でゴールへと押し込んだ。

 さらに25分には左サイドからMF登里享平がボールを持ち込み、PAで仕掛けた原口の突破のこぼれ球を大迫が左足でゴール。そして30分には左サイドから仕掛けた原口が切り返しからPAでDFを外し、右足で5点目のゴールを奪った。トップ下に入った原口と右の大津が好連係を見せるなど、後半も収穫のある45分間だった。

 相手のミスもあったことは間違いないが、五輪予選へ弾みをつける5発勝利。関塚監督は「クウェートはもっと球際で来るので、もっと上げないといけない」と話し、「日本を代表して戦うわけだから勝つんだ、という気持ちが大切。まだ準備しなければいけない。最後までしっかりやっていく」と表情を引き締めた。いよいよ迎えるロンドン五輪への第1関門。関塚ジャパンは13日から静岡・愛知合宿でチームづくりを仕上げ、ロンドンへの最高のスタートを切る。

[写真]後半、U-22代表MF原口がドリブルで仕掛ける
(取材・文 吉田太郎)

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