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CKから2発!!鹿島は今季初完封で2勝目、次節はカシマスタジアムへ

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[6.11 J1第14節 山形0-2鹿島 NDスタ]

 鹿島アントラーズがセットプレーからの2発で5月10日のACLシドニーFC戦(2-1)以来、公式戦5試合ぶりの勝利を飾った。リーグ戦での白星は4月29日の福岡戦(2-1)以来、4試合ぶりとなる今季2勝目を手にした。

 前半35分、MF野沢拓也の右CKからニアサイドでDF岩政大樹が競り合うと、ファーサイドに流れて来たボールを日本代表FW興梠慎三が倒れ込みながら左足ボレーで合わせ、先制のゴールネットを揺らした。同40分にはMF小笠原満男の左CKから岩政が打点の高いヘディングで叩き込み、2-0。CK2本でリードを広げた。

「いつもはニアに入るけど、裏に行ったらDFが付いてこなくて。こぼれ球だけど、決められてよかった」。興梠は試合後のインタビューで先制点のシーンを振り返ったが、「前半に先制点を取れたのは大きかったけど、全体として形からの得点がないのと、自分自身、コンディションが上がらないままこの試合を終えて、悔しく思います」と、貴重な先制点にも笑顔はなかった。流れの中からの得点がなく、決定機も数多くあったわけではなかった。まだまだ攻撃面に改善の余地があるのは確かだ。

 一方、守備では今季リーグ戦7試合目で初の無失点。ここまでの6試合で14失点を喫していたが、5月10日のシドニーFC戦で左肩を脱臼したDF中田浩二が公式戦5試合ぶりに先発復帰し、山形の反撃を完封で抑えた。昨季、リーグ最少失点を誇った守備陣がようやく一つ結果を残したことはプラスだろう。

 4月19日のACL水原三星戦(1-1)で右内転筋を痛め、長期離脱を余儀なくされていたFW田代有三も後半20分から途中出場。昨季期限付き移籍でプレーした古巣との一戦で約2ヵ月ぶりの復帰を果たした。今後はU-22日本代表FW大迫勇也がロンドン五輪アジア2次予選のため最大で4試合欠場することもあり、田代の復帰はチームにとって明るいニュースとなった。

 中3日で迎える次節15日・甲府戦はカシマスタジアムで開催される。3月11日の東日本大震災後、東京・国立競技場をホームとして使用するなど、震災によって損壊した本拠地の復旧工事が進められてきていたが、いよいよ震災後初めてカシマスタジアムに戻る。

 興梠は甲府戦に向け「勝つことは絶対だし、一人ひとりがいいプレーをできるように頑張りたい」と意気込み、オリヴェイラ監督も「実家に帰るような気持ちが関係者全員にあると思う。いい思い出もあれば、悪い思い出もあるが、サポーターも含めて全員の力を合わせて、カシマスタジアムでいい思い出の道のりのリスタートを切れれば」と、開幕戦以来となる“ホームゲーム”からの巻き返しを誓っていた。

(文 西山紘平)

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