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[U-17W杯]松本「いいニュースを福島に届けたい」気持ちで決めた決勝点

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[6.18 U-17W杯B組 日本1-0ジャマイカ モンテレイ]

 U-17日本代表に2大会ぶりの勝利をもたらしたのはFW松本昌也(JFAアカデミー福島)だった。スコアレスで迎えた後半11分に途中出場を果たすと、わずか4分後に決勝点となるゴールを決めた。右サイドをオーバーラップしてきたDF室屋成(青森山田高)の折り返しを中央で受けると、冷静に左足でシュート。GKの足元を抜けたボールはゴール右へ吸い込まれた。ゴール後は起点となったMF秋野央樹(柏U-18)、室屋と3人で抱き合い、ゴールに歓喜。ベンチ前へ駆け寄り、チームメイト全員で喜びを分かち合った。
 
 試合後、日本サッカー協会によると松本は「この舞台でゴールできたことはすごくうれしい。前半、ボールはサイドに回していたが、中央に入らず決定的なチャンスを作れなかったので、前でボールをたくさん受けて得点のチャンスを作ろうと思っていた」とゴールを喜んだ。

 松本は東日本大震災で被災したJFAアカデミー福島の所属。3月11日の震災時はグラウンド上で「立ってられないほど」の地震にあった。同14日に東京へ避難するまでは近隣の小学校で避難所生活を送っていた。その後も福島で練習することはできず、地元の大分へ戻り、社会人チームの練習に参加するなど複雑な状況でコンディションを整え、必死にW杯メンバー入りをめざして練習に励んだ。その後、4月5日にJFAアカデミー福島が静岡県御殿場市に一時移転。静岡県を拠点に活動を再開した。そして、4月19日にU-17W杯のメンバーが発表。「サッカーに専念できる環境を整えてくれていて本当に感謝しています」。多くの人への感謝の気持ちを抱え、松本は悲願のメンバー入りを果たした。

 メキシコ入り後は「震災で今も避難所で生活をされている方が、まだ多くいらっしゃるので、そういう人たちのためにもいいニュースを福島に届けたいと思います」と今大会に懸ける思いを語っていた。松本のゴールは第2の故郷である福島県の人々はもちろん、福島から静岡へ環境が変わる中でもひたむきにサッカーに取り組むJFAアカデミーの後輩たちなど、多くの人へ勇気を与える一発となったはずだ。

[写真]MF石毛秀樹(清水ユース)と勝利を喜ぶ松本(右)

(文 片岡涼)
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