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[U-17W杯]石毛同点PK!日本がフランスと価値あるドロー

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[6.21 U-17W杯B組 日本1-1フランス モンテレイ]

 U-17日本代表は21日(日本時間22日)、U-17W杯2011メキシコ大会グループリーグB組第2戦でU-17フランス代表と対戦。前半24分にカウンター攻撃から失点したものの、後半4分にMF石毛秀樹(清水ユース)が自ら獲得したPKを決めて1-1の引き分けに持ち込んだ。グループリーグの成績を1勝1分とした日本は24日(日本時間25日)のグループリーグ最終戦でアルゼンチンと戦う。

 FW松本昌也(JFAアカデミー福島)の決勝ゴールにより、ジャマイカとの初戦を1-0で制した日本に対し、フランスは同じくアルゼンチンとの初戦を3-0で快勝。勝者がグループリーグ突破へ大きく前進する一戦で日本は貴重な勝ち点1を獲得した。現行の大会方式となった07年大会以降、グループリーグで勝ち点4を獲得したチームは全てグループリーグを突破していることもあり、自国開催だった93年大会以来の決勝トーナメント進出がはっきりと見えてきた。

 初戦2得点のFWヤシン・ベンジアがベンチスタートとなるなど初戦から先発4人を入れ替えてきたフランスに対し、日本もジャマイカ戦から4人をチェンジ。4-3-3システムのGKは中村航輔(柏U-18)で4バックは右から川口尚紀(新潟ユース)、岩波拓也(神戸ユース)、植田直通(大津高)、室屋成(青森山田高)。中盤の底の位置に深井一希(札幌U-18)が入り、その右前方が石毛、左が喜田拓也(横浜FMユース)、3トップには右から望月嶺臣(野洲高)、鈴木武蔵(桐生一高)、早川史哉(新潟ユース)が並んだ。

 前半は4-2-3-1システムを組んだフランスの強固な守備ブロックと鋭いカウンター攻撃に苦しんだ。ボールを支配した日本だったが守備ブロックの周りでボールを動かすことはできるものの、個人での仕掛けがなく、DF間を射抜く縦パスを出すこともできずに攻撃が行き詰まってしまう。そして苦しい形でのパスをインターセプトされると、FWレニー・ナンジスら前線のタレントを活かしてカウンターを繰り出すフランスの逆襲を食らった。
 
 そして流れの良くないまま迎えた前半24分、攻撃参加した深井のパスがPAでカットされると、日本はプレッシャーに行くことのできないままDFキュルト・ズマとFWアダム・エンクスに自由にボールを運ばれてしまう。自陣PAまで押し返されると最後はMFアブダラー・ヤイジャンに右足シュートをゴール右上へとねじ込まれた。

 日本にもチャンスはあった。13分、中央の鈴木武が反転から仕掛けて左足シュート。これはヒットしなかったがPAでボールを受けた早川が左足で押し込もうとする。深井や石毛のインターセプトなど高い位置でボールを奪う場面もあった日本は36分、右サイドで川口の折り返しを受けた望月がファーサイドへとクロスボール。決定的なパスを喜田が右足ダイレクトで合わせようとする。さらに望月とのワンツーから石毛が右足シュート。41分には左サイドからPAへ走りこんだ早川へ石毛からのパスが入り、早川が右後方へ落としたボールを鈴木武が左足ダイレクトでシュートした。

 前半を1点ビハインドで折り返した日本は後半開始から喜田に代えてアジア予選得点王のFW南野拓実(C大阪U-18)を投入。前半途中から望月が務めていた前線中央の位置に入った。すると、開始直後に幸運な形から同点に追いついた。左サイドの早川へ素晴らしいボールが入ると、素早いパスワークから石毛がPAで強引なドリブル突破。DF2人に挟み込まれるようにして倒されると、ペルー人の主審はPKスポットを指差した。フランスの選手たちが抗議するも判定は変わらず。日本は自らキッカーを務めた石毛が右足を振りぬく。これがGKの逆をついてゴール左へと決まり1-1の同点となった。

 後半、アタッキングゾーンで仕掛ける回数が増えた日本は16分、インターセプトから石毛が鋭いドリブルで中央を破ると、DFを十分に引き付けてからフリーの南野へラストパス。20分には左CK付近でボールを持った鈴木武が対面のDFの股間を抜くドリブルでゴールライン際を突破する。そのラストパスから石毛が決定的な右足シュートを放った。この試合が今大会初出場の南野も積極的にゴールを狙った。

 対するフランスは18分にベンジアを投入。勝ち越しを狙うと23分にはPAでの鋭い切り返しでDFを外したベンジアが決定的なシュートを放ち、32分には交代出場のMFスアヒロ・メイテの左足シュートがゴールを捉える。だが至近距離からの決定的な一撃をGK中村がビッグセーブ。日本はディフェンス陣が相手のロングボールを的確に跳ね返すなど、2点目を与えなかった。

 気温30度の暑さからか、この後完全に足が止まり攻撃姿勢を見せなくなったフランスに対し、29分に鈴木武に代えて松本を投入した日本は、スペースを突く動きでチャンスの数を増やした。だが36分にスルーパスから左サイドをえぐった早川の折り返しを石毛が合わせたビッグチャンスは、フランスDFがブロック。最終的にボール支配率を62パーセントにまで上げた日本だったが、勝ち越すことはできなかった。それでも優勝経験のある強豪から価値ある勝ち点1。無敗をキープした日本は決勝トーナメント進出へ一歩前進した。

[写真]後半4分、U-17日本代表の石毛(左)が同点ゴール

(文 吉田太郎)
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