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浦和が福岡に3発快勝!“主軸”入れ替えリーグ戦10試合ぶりの白星

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[6.22 J1第17節 浦和3-0福岡 埼玉]

 J1第17節が22日に各地で行われ、埼玉スタジアム2002では16位の浦和レッズと最下位のアビスパ福岡が対戦した。浦和はエースとダイナモの“主軸”2人を今季初めてスタメンから外す“荒治療”を行ったが、MF鈴木啓太の先制点、MFマルシオ・リシャルデスの追加点、さらには途中出場のFWエジミウソンの意地の一発で3-0勝利。4月24日の名古屋戦(埼玉)以来となるリーグ戦10試合ぶりの勝ち点3をつかんだ。福岡は2連敗でこれでリーグ戦開幕から12試合未勝利となった。

 最近リーグ戦で5分4敗と9試合勝ち星がない浦和は、スピラノビッチが出場停止から先発復帰。その他“主軸”を入れ替えた。中東への移籍話があるエースFWエジミウソン、MF柏木陽介、DF山田暢久をベンチに下げ、FWマゾーラ、MF山田直輝、高卒ルーキーのMF小島秀仁を先発起用した。山田は今季初スタメン、小島はプロ初出場初先発となった。

 浦和はシステムも4-4-2に変更。GKは加藤順大、DFラインは右から高橋峻希、スピラノビッチ、永田充、平川忠亮。ダブルボランチは鈴木啓太と小島が組み、2列目は右にマルシオ・リシャルデス、左に山田直が入った。2トップはマゾーラと田中達也が組んだ。

 開幕から11戦未勝利の福岡は前節同様のメンバーで、システムも同じ4-5-1を採用。GKは六反勇治、DFラインは右から山形辰徳、丹羽大輝、小原章吾、和田拓三。ダブルボランチは末吉隼也と鈴木惇が組み、2列目は右に田中佑昌、左に松浦拓弥が入った。トップ下は城後寿で1トップは重松健太郎が入った。ただこの2人はしばしばポジションチェンジし、2トップになる場面もあった。

 開始4分、福岡が最初の見せ場を作った。右CKから少しゴールから離れていた和田が右足でジャンピングボレー。うまくミートさせたが、これは上に外した。その1分後、浦和も決定機を作った。右サイド、縦パスに田中が抜け出して右足クロス。マゾーラがニアに飛び込んで右足を合わせたが、これは右に外れた。

 浦和は前半8分、Jデビューの小島がミドルシュート。積極性を見せたが、これは上に外れた。同13分、福岡はPA右で松浦の横パスを受けた重松がミドルシュート。その1分後にはPA左から田中佑が右足で狙ったが、いずれも枠を外してしまった。

 共に苦しい戦いが続いており、なんとしても勝ち点3が欲しいところ。ただ、お互いにバイタルエリアを崩せない。前半28分、福岡は右クロスに鈴木が飛び込みハーフボレーを放ったが、これはGK加藤の好セーブに阻まれた。浦和は同36分、マゾーラが快足を生かして左サイドを仕掛けてグラウンダークロス。しかし、中で誰も合わせられなかった。前半はスコアレスで終了した。

 後半5分、浦和がチャンスを作った。右サイド、高橋が持ち込み、PA正面手前に入ってきたマルシオのポストプレーから左足シュート。グラウンダーで右下を狙っていたが、わずかに右に外した。後半は浦和がペースを握った。そして待望の先制点を奪った。

 後半8分、鈴木啓太がゴール前やや右のマゾーラに縦パスを入れると、ゴール前へ突進。ボールはマゾーラから中央のマルシオを経由し、PA内を走る鈴木のもとへ。主将は落ち着いて右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。ベテランボランチの今季初ゴールが、悩めるチームを元気づける一発となった。

 福岡は後半15分、重松に代えてMF成岡翔を投入した。浦和は同22分、鈴木に代えてDF山田暢久を投入。山田はボランチの位置に入った。直後、福岡が決定機を迎えた。左サイドのCKから成岡が右足シュート。コースは良かったが、クロスバーの下側に当たり、浦和にクリアされた。

 浦和は後半26分、マゾーラに代えてFWエジミウソンを投入。これがズバリ当たった。出場から2分後、エースは右サイドをドリブルで持ち込みグラウンダーのクロス。これにマルシオ・リシャルデスがニアに飛び込んでシュート。背番号「10」の今季2得点目で浦和が2-0リードをつかんだ。

 後半29分、福岡は城後に代えてFW高橋泰を投入。ゴールを奪いに行った。さらにその3分後、田中佑に代えてFW吉原正人を送り出した。浦和は同34分、田中に代えてMF柏木陽介を入れた。エジミウソンの1トップとなり、2列目に柏木、山田直、マルシオが並んだ。

 その後、浦和がゆったりボールを回す展開となる。福岡は奪ってからのカウンターを仕掛けようとしたが、運動量が落ちてはまらない。後半45分、浦和はエジミウソンが中央付近からドリブルで仕掛け、マルシオにパス。最後、柏木にフリーでつながったが、ループシュートはクロスバーを叩いた。

 ロスタイムは3分の表示。このままのスコアで終わるかと思われたが、46分に柏木が左サイドを突破してクロス。中央でエジミウソンが受けて右足で押し込み3-0に。今季最多タイとなる3得点を奪った浦和が、リーグ戦10試合、約2ヵ月ぶりの白星。スタジアムには浦和サポーターの歓喜が響き渡った。

[写真]先制点を決めたMF鈴木啓太がチームメイトから祝福される

(取材・文 近藤安弘)

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