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[女子W杯]なでしこジャパン、イングランドに今大会初の零封負け……GL首位通過ならず

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[7.5 女子W杯B組 日本0-2イングランド アウクスブルク]

 なでしこジャパン、今大会初の黒星喫す。 女子W杯ドイツ大会はグループリーグ第3戦の4試合を行った。既にグループリーグ突破を決めているB組の日本女子代表は、首位通過をかけてイングランド女子代表と対戦。引き分け以上で首位通過が決まる一戦だったが、2失点を喫して、0-2で敗戦となった。B組2位通過の日本は9日に決勝トーナメント1回戦を迎え、A組の1位と戦う。

 既に決勝トーナメント進出は決まっていたため、先発メンバーの入れ替えも報じられていたが、日本女子代表は1位通過を目指して、これまでの2試合と同じシステム、メンバーで試合に臨んだ。4-4-2システムを採用し、GKは海堀あゆみ(INAC神戸)。DFラインは右から近賀ゆかり(INAC神戸)、岩清水梓(日テレ・ベレーザ)、熊谷紗希(浦和レッズ)、鮫島彩(ボストン・ブレイカーズ)。ダブルボランチを澤穂希(INAC神戸)と阪口夢穂(新潟)が組み、2列目は右から大野忍(INAC神戸)、宮間あや(岡山湯郷)。2トップは安藤梢(デュイスブルク)と永里優季(ポツダム)が務めた。

 第2戦のメキシコ戦(4-0)から中3日という影響からか、日本の選手たちの足は思うように動かない。運動量が落ち、パスミスを連発。ここ2試合で起点となっていた両SBも攻撃参加できずに時間は過ぎていった。ようやくゲームに慣れてきたかと思われた前半15分、今大会初の先制点を奪われた。FWカレン・カーニーが左サイドからロングボール。熊谷と鮫島の間にワンバウンドしたボールを最後はフリーのFWエレン・ホワイトがゴールまで約30mの距離からループシュート。放たれたボールはGK海堀の頭上を越え、ゴールネットへ吸い込まれた。

 その後もピンチの連続。警戒していたサイド攻撃で押し込まれる場面が目立った。前半36分、鮫島が自陣内の深い位置でボールを奪われ、ピンチを迎える。しかし相手MFが放ったグラウンダーのシュートはGK正面。海堀が冷静にキャッチした。同38分には右クロスを上げられ、最後はFWエレン・ホワイトが豪快なオーバーヘッド。これは海堀が右手一本でストップ。ピンチを逃れた。日本はなんとか同40分にチャンスをつくる。宮間の左クロスをGKがパンチング。PA正面に流れたボールを近賀が右足ダイレクトで狙ったが、クロスバー上方へ外れた。前半は0-1のまま折り返した。

 1点ビハインドで迎えた後半。なんとかゴールを奪おうと後半10分には安藤に代わって、FW丸山桂里奈(ジェフ千葉)を投入。直後の同12分、丸山が前線で絡んだ。波状攻撃でチャンスを演出。ゴール右の永里からパスを受けた丸山がPA内でドリブル突破。左サイドに走りこんできた宮間へパスを送る。宮間の折り返しに永里が右足で合わせたが、DFに阻まれた。

 すると後半21分、右クロスを許すと中央でこぼれたボールを途中出場のFWレイチェル・ヤンキーに拾われる。熊谷が対応したが間に合わず、0-2に突き放された。同30分、日本は2枚目の交代カードを切り、阪口に代わってFW岩渕真奈(日テレ・ベレーザ)をピッチへ送る。澤がワンボランチを務め、前線に丸山、永里、岩渕を並べた。

 後半35分、セットプレーでチャンスをつくった。宮間の右CKをゴール前混戦から丸山が流し、最後は永里がシュート。しかし、これもゴール左へ。直後にはスルーパスに抜け出した永里が後ろから走ってきた岩渕にパス。これを右サイドに展開し、大野が右クロスを入れたが味方に合わず、シュートまで持ち込めなかった。同38分、日本は最後の交代枠を使い、大野に代えてMF川澄奈穂美(INAC神戸)をピッチへ送った。

 後半42分には鮫島の右クロスに岩渕が頭で合わせようとするが、相手DFに競り負けた。同43分には途中出場の川澄が左サイドからミドルシュートを放つ。相手GKがキャッチしたボールはゴールの外でラインを越えていたが、CKにはならず、主審の判定はゴールキック。判定に泣かされ、セットプレーを得ることができない。試合終了間際のロスタイム1分にも川澄が果敢に仕掛けてチャンスをつくったが、シュートは枠外へ。ゴールが奪えないまま試合は終了。0-2で今大会初の敗戦を喫した。

 試合後のテレビインタビューで佐々木則夫監督は「イングランドの方がこの試合に勝ちたいという思いが結果になったのでは」と唇を噛みながらも「これをいい教訓にして、この後の試合を戦っていきたい」。澤は「相手がどこであろうと決勝トーナメントにいけたことは良かった」と前を向いた。今後、なでしこジャパンは過去最高成績の95年大会のベスト8越えを目指し、世界4強入りをかけて9日に準々決勝を戦う。

[写真]2失点目のシーン、GK海堀も止められず
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