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[総理大臣杯]明治大はPK戦で痛恨の敗戦、GK高木「PKは絶対に運じゃない」

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[7.7 総理大臣杯・準決勝 明治大1-1(PK3-4)大阪体育大 長居第2]

 目前で決勝行きを逃してしまった。明治大は大阪体育大に1-1で迎えたPK戦の末に3-4で敗れた。試合後、全日本大学選抜GK高木駿(4年=東京Vユース)は「きょう一番感じたことは、相手の方が絶対的にPKが上手かった。PKの技術があった」と唇を噛んだ。

 PK戦で明治大は先攻だった。1人目のキッカーはMF宮阪政樹(4年=F東京U-18)。ゴール左へ蹴りこんだボールはGK姫野昂志(3年=大分南高)に止められた。大阪体育大の1人目のキックは「いつも自分は甘くなったキックを止める」という言葉通りに高木がストップ。2人目は互いに決めたが、3人目のFW阪野豊史(3年=浦和ユース)のシュートはまたも姫野に止められた。その後はともに決めて、結果は4-3の敗戦。高木は「(相手の)キッカーが上手かった。的が絞れなかった」と振り返った。

 大阪体育大のキックは全員が迷いなく、しっかりと蹴りこんできたため、コースを読むことは難しかったが、相手GKは明治大のシュートコースを全て読みきっていた。「相手のGKが上手かったというのもあると思うが、うちのキッカーがフワっと蹴っていたし、下手だったんだと思う。PKは絶対に運じゃない。PKに対する準備が足りなかったんだと思う」と高木。1-1に持ち込みながらの痛恨の敗戦に、反省の弁が続いた。

 PK戦以前にそれまでの過程も“明治らしさ”が見られなかった。昨季の関東王者という風格は消え、消極的な姿勢が目立った。ピッチ上での声も少なく、とにかく覇気がない。神川明彦監督は「4年生に絶対にやってやるぞとか強い気持ちが足りない。今年はそういうところがある。(最上級生で)頑張っていたのは吉田だけ」と厳しい口調。なんとなくプレーするという時間が続き、それがPK戦につながってしまった感は否めない。

 今大会ではMF岩渕良太(3年=F東京U-18)やMF矢田旭(2年=名古屋U-18)、MF梅内和磨(2年=F東京U-18)など、リーグ戦では主軸ではなかった若い選手たちの奮闘が目立ち、大きな収穫となった。しかし、それとともに上級生の物足りなさも浮かんできた形となる。「(今大会も)もう終わったこと。次へ向けて、これをどう糧にしてやっていくか」と指揮官は前を向いた。苦い経験を武器に、一回り強くなっていくのが明治大。リーグ戦制覇、インカレ出場へ向けて。この敗戦が紫紺の集団の新たなスタートとなる。

[写真]敗戦に立ち尽くす明治大の選手たち

(取材・文 片岡涼)
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