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澤がミラクル弾!柏が後半ロスタイムの劇的ゴールで仙台を下し首位キープ

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[7.9 J1第3節 柏1-0仙台 柏]

 J1は9日、東日本大震災の影響で延期されていた第3節の2日目を行った。日立柏サッカー場では首位の柏レイソルと3位のベガルタ仙台が激突。勝ち点差3、得失点差1で迎えた一戦で首位が入れ替わる可能性もあった決戦は、後半ロスタイムに入った49分にMF澤昌克が劇的決勝ヘッドを決め、柏が1-0勝利をつかんだ。同じ時間帯に行われていた2位の横浜FMが勝っていたため、引き分け以下なら首位陥落の危機にあった柏だが、澤のミラクルヘッドで首位を守った。

 柏は司令塔のMFレアンドロ・ドミンゲスが出場停止。システムはいつもの4-4-2でGKは菅野孝憲、DFラインは右から酒井宏樹、増嶋竜也、近藤直也、橋本和。ダブルボランチは栗澤僚一と大谷秀和が組み、2列目は右に兵働昭弘、左に澤昌克が入った。2トップは北嶋秀朗と田中順也が組んだ。

 対する仙台は右SBの菅井直樹が出場停止で不在だが、起用法に異を唱えるなどして自宅謹慎処分を受けていたMF関口訓充がベンチ入りした。システムはこちらも4-4-2でGKは林卓人、DFラインは右から田村直也、曹秉局、鎌田次郎、朴柱成。ダブルボランチは富田晋伍と角田誠が組み、2列目は右に松下年宏、左に梁勇基が入った。2トップは柳沢敦と赤嶺真吾が組んだ。

 勝ち点3差で迎えた上位決戦。立ち上がりはともに様子見か、静かな試合展開だった。ともにしっかりとした守備から入ったため、バイタルエリアまで運べない。そんな中、最初のチャンスを作ったのは柏。前半16分、中央で澤の落としを北嶋が左サイドに展開。橋本がドリブルで仕掛けてPA内に入り、右足でシュート。これはGK林のファインセーブに阻まれた。

 その後、地力に勝る柏がボールを繋ぐ時間が増えるが、仙台が鋭いカウンターで応戦する。前半26分、中盤のクリアを拾って左サイドに展開。司令塔の梁勇基がPA内に突進して右足で強烈なシュートを放ったが、わずかに右に外れた。前半32分、柏が絶好機を迎えた。兵働が左サイドに展開し、橋本が絶妙なクロス。これに澤が飛び込み、ドンピシャのヘディングシュートを放ったが、GK林の好セーブに阻まれ、先制点を逃した。

 仙台も奪ってからの速い攻撃でチャンスを作った。前半34分、中盤でボールを奪い左サイドのスペースへ長いパス。これに松下が抜け出し低いクロス。ファーサイドで柳沢がスライディングしながら合わせようとしたが、わずかに届かなかった。前半は柏がボールをつなぎ、仙台がカウンターという図式で、どちらも決定機を作ったが、スコアレスで折り返した。

 ともにメンバー変更なく後半がスタート。開始3分に仙台が絶好機を迎えた。中央で浮き球パスに柳沢がうまく抜け出し、GK菅野と1対1に。しかし、シュート直前で酒井に寄せられて間一髪でクリアされた。スタンドには仙台サポーターのため息が漏れた。

 仙台は後半12分、柳沢に代えてMF関口訓充を投入。システムを4-5-1に変更し、関口は右MFへ入り、松下がトップ下に位置を変えた。その後、一進一退の攻防が続く。後半23分、柏は右サイドを攻略し酒井が低いクロス。これを兵働が右足で合わせたが、仙台選手に当たりCKとなった。

 柏は流れを変えるべく、後半24分に最初の選手交代。兵働に代えてMF水野晃樹を送り出した。対する仙台も同26分、田村に代えてDF細川淳矢を投入し、守備強化を狙った。

 後半31分、柏が田中が好機を作る。相手守備陣に一度は止められかけたが、中央を強引にドリブルで突破して左足シュート。丁寧に低く抑えたが、わずかに右に外れた。柏は同36分、橋本に代えてDFジョルジ・ワグネルを投入。破壊力のある左足を持つ助っ人を左SBに入れた。

 後半39分、仙台は最後の交代カードを切る。松下に代えてFW中島裕希を投入。再びシステムを4-4-2に戻し、ゴールを奪いに行った。ロスタイムは4分。共に激しいボールの奪い合いが続く。同46分、仙台は梁勇基が左足ミドルを放ったが、枠を外れた。柏は同48分、水野が得意のロングスローをゴール前に入れたが、跳ね返された。

 ロスタイムもあとわずかとなった中、柏が奇跡的なゴールを決めた。後半49分、右サイドで水野が酒井につなぎ、酒井が得意の右足でクロス。これをファーサイドに走り込んだ澤昌克が合わせた。下に叩きつけるヘディングシュートでゴールネット左に突き刺した。直後に試合終了の笛がなり、1-0で柏が勝利。勝ち点を31に伸ばして首位をキープした。

(取材・文 近藤安弘)

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