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[総体]後半ロスタイムの歓喜!静岡学園が流経大柏破り、初V王手!!

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平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技(秋田)
[8.2 全国高校総体準決勝 流通経済大柏1-2静岡学園 八橋運動公園球技場]

 静岡学園が劇的V弾で初の決勝進出! 秋田県で開催中の平成23年度全国高校総合体育大会「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技は2日、準決勝を行い、八橋運動公園球技場で行われた流通経済大柏(千葉2)対静岡学園(静岡)戦は、後半ロスタイムに2年生FW深瀬健也が決めた決勝ゴールにより、静岡学園が2-1で勝利。静岡県勢としては01年の藤枝東以来10年ぶり、同校にとっては初となる決勝進出を果たした。静岡学園はあす3日の決勝で桐蔭学園と戦う。

 高校チームを代表する強豪同士、流通経済大柏と静岡学園とが70分間死闘を演じた「魂の準決勝」。その熱戦はあまりにも劇的なゴールで決着がついた。1-1で突入した後半ロスタイム、静岡学園は前線へフィードを入れると、そのこぼれ球を拾ったFW山本真也が飛び込んでくる相手DFとすれ違い様にスルーパス。これで抜け出した深瀬が、距離を詰めてきたDFをスピードに乗ったまま切り返してかわす。そして独走した2年生FWは、GKとの1対1から右足シュートを冷静にゴールへと流し込んだ。

「2-1」。それまでシュート5本で、相手には3倍の計18本を打たれた静岡学園が、土壇場で見せたテクニックとスピード感あふれる決勝ゴール。わずか1ヵ月まで一度もAチームでプレーしたことがなく、全国総体から先発に定着した2年生FW深瀬はゴールを見届けると、ベンチへ向かって走り出し、チームメートたちと喜びを爆発させた。

 ゲーム主将のGK福島春樹が「最後の最後までねばり強く守備をしたからこそ。みんなの気持ちがつながったゴール」と胸を張ったように、耐えてつかんだファイナルへの切符だった。スピードとフィジカルで上回る流経大柏は強烈なプレッシングで相手ボールを奪うと、パワフルな1トップFW田上大地主将へのフィードとサイド攻撃で静岡学園に圧力をかけた。一方、静岡学園は相手の鋭い出足の前に個人技とショートパスを駆使する本来の攻撃が沈黙。狭いスペースへと追い込まれてパスをカットされ、背走する場面が繰り返された。

 ただ前半22分、遅攻にこだわってきた静岡学園の高速カウンターが、流経大柏の鉄壁の守りに穴を開ける。相手のクロスボールをキャッチしたGK福島が間髪入れずに右SB伊藤翼へ展開すると、絶妙な動き出しでスペースへ動き出したFW野田侑成の姿を見逃さなかった伊藤が、右サイドのスペースへ縦パスを配球。相手DFを置き去りにした野田が抜け出し、そのまま右足で先制ゴールを流し込んだ。

 劣勢を一撃で覆した静岡学園はその後、U-17日本代表候補MF渡辺隼の絶妙な左足キックで決定機をつくる。一方、U-18日本代表候補MF古波津辰希やMF佐藤恵祐が迫力ある攻守を見せるなど、ギアを上げた流経大柏はスルーパスで抜け出した古波津の右足シュートや、左CKからU-18日本代表のCB宮本拓弥が放った左足シュートなどで反撃。ただ奮闘する木本恭生望月大知の両CBや、好守を連発するGK福島の壁を破ることができなかった。

 それでも局面での攻防で何度も相手を上回り、ボールを支配した流経大柏は後半10分、縦への速い展開から田上が強烈な右足ミドル。左ポストを叩いた跳ね返りをMF中村優仁が身体全体で詰めて同点に追いついた。一気に畳み掛けようとする流経大柏は、18分に投入されたMF中村慶太と21分にピッチへ送り込まれたMF菅谷大樹がサイドをドリブル突破し、ビッグチャンスをつくり出す。流経大柏の怒涛の攻撃の前に静岡学園の砦はいつ陥落してもおかしくない状況だった。それでも速攻とスペースを突く攻撃へシフトチェンジした静岡学園は相手のミスから山本が抜け出すなど、押し込まれても攻撃姿勢を全く失わない。技を封じられていた静岡学園だったが、根気強くゴールを目指し、ロスタイムに相手の背後を強襲。劇的ゴールで流経大柏を沈めた。

 静岡学園は今大会、ともに昨年の全日本ユース選手権4強の立て役者であるU-17日本代表MF長谷川竜也と超攻撃的SB伊東幸征主将、そして1年から名門で出場機会を得てきた「大器」MF秋山一輝の3本柱をいずれも故障で欠いていた。彼ら3人が揃っていれば優勝候補筆頭ともいえる実力を持つ静岡学園だったが、大会前の評判は下落。ただ、残った選手たちにとってはこれが発奮材料となった。福島は「これまでアイツらに頼った部分が大きかった。(欠場が決まったとき)みんなから『自分がやらなきゃ』という気持ちが出ていた」と説明する。

 特に「変わった」のは2年生。中学3年時には静岡学園中で全国中学校大会を制している世代だが、精神面がやや弱く、練習姿勢にも必死さが欠けている部分があった。ただ川口修監督は「主力が抜けて2年生が変わった。特に(10番のU-17代表候補MF渡辺)隼が自分が大黒柱にならないといけない、と変わってきた。これまで2年生は何も出せていなかったけれど。隼が変わって、そして2年生全体が変わってきた」。準決勝はMF柴田則幸ら先発6人が2年生。期待されてきた世代が必死に戦う3年生同様歯を食いしばって戦い、大一番で最高の結果を残した。

 桐蔭学園との決勝はともに技術の高い選手が揃う注目の決勝。この日は本来とは違う色を出して勝った静岡学園だが、福島は「相手が強くなっている中でやらなきゃいけない。桐蔭を上回るような個人技とインテリジェンスを出してやりたい」。主力不在の中で勝ち進むチームに周囲は驚くが、決してそれはサプライズではない。「変わった」ことで発揮されている実力がホンモノであることを決勝での勝利で示す。

[写真]後半ロスタイム、静岡学園FW深瀬が決勝ゴール(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 吉田太郎)

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