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ジョークをまじえながら静かに闘志、内田「すんなり行く道ではない」

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 日本代表DF内田篤人(シャルケ04)が2年前のリベンジとなる“ライバル叩き”に意欲を見せた。「ウズベキスタンは(日本の)次に強いライバル的なチーム。北朝鮮戦も大事だったけど、これも大事。ま、結局全部大事なんですけどね」。いつもの飄々とした物言いの中にも静かな闘志をのぞかせた。

 今回と同じパフタコールスタジアムで行われた09年6月6日の南アフリカW杯アジア最終予選第6戦・ウズベキスタン戦。W杯出場を決めた歴史的な一戦だったが、内田はその場に立ち会うことができなかった。遠征メンバーに入り、先発も確実だったが、試合当日に突然の体調不良でメンバー外となり、一人宿舎に残った。当時の借りを返すには、これ以上の舞台はない。

 チームは“手負い”の状態だ。FW本田圭佑(CSKAモスクワ)が右膝の手術を受け、明日の試合はもちろん、10月11日のタジキスタン戦(長居)、11月11日のタジキスタン戦、同15日の北朝鮮戦(いずれもアウェー)の出場も絶望的。攻撃の要を欠いての戦いが続く。

「だれが代わりにサングラスするのか分からないけど。だれかが代わりに両手に時計をして……というのは置いといて」。内田は冗談めかしながらも「本田さんのプレーは力強い。後ろの選手としては、2、3人に囲まれていても出せる。プレーもそうだけど、精神的にチームが安定する」と、その存在の大きさを口にする。

「でも、それでバタバタして、崩れるようなチームじゃない。海外でやっている選手もいるし、若い選手もいるし、ヤットさん(遠藤)みたいなすごい選手もいる。(ブラジルW杯までは)すんなり行く道ではない。1、2人が欠けても、日本がブラジルに行ければと思う。ってまじめにちょっと言ってみました」

 最後までユーモアを忘れず、決戦を翌日に控えても平常心は変わらない。2年3ヵ月前の悔しさも、本田不在の不安も胸の奥に潜め、目の前の相手を倒すことだけに全力を尽くす。

(取材・文 西山紘平)

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