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柏が2戦連続逆転勝利!!ピクシー退席の名古屋は4位後退

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[9.10 J1第25節 柏2-1名古屋 柏]

 J1第25節は10日、各地で6試合を行い、日立柏サッカー場では4位柏レイソルと2位名古屋グランパスが対戦した。名古屋は前半17分、FW玉田圭司の直接FKで先制したが、柏は後半20分に日本代表FW田中順也のゴールで追い付くと、同25分にMF澤昌克が勝ち越し点。2-1の逆転勝利で約2ヵ月ぶりとなる2連勝を飾り、順位も名古屋を抜いて4位から3位に上げた。

 柏は2点差をひっくり返した前節・川崎F戦(3-2)と同じ先発メンバー。川崎F戦で1得点のFW工藤壮人と、同じく2ゴールを決め、日本代表にも初選出されたFW田中順也が2トップを組んだ。
 2連勝中の名古屋はMF中村直志が出場停止。代わって負傷明けのMFダニルソンが2試合ぶりに復帰し、それ以外は前節の甲府戦(4-1)と同じメンバーだった。
[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がり、試合のペースを握ったのはアウェーの名古屋だった。前半4分、右45度の位置でFKを獲得すると、MF藤本淳吾が左足で直接狙ったが、わずかにゴール右へ。同8分、左サイドから中に切れ込んだFW小川佳純の右足ミドルはGKの正面を突いた。

 柏は2トップがDF田中マルクス闘莉王、DF増川隆洋から厳しいプレッシャーを受け、なかなかボールがおさまらない。苦しい展開の中、さらなるアクシデントに見舞われた。前半14分、中盤のハイボールを闘莉王と競り合ったMFレアンドロ・ドミンゲスがピッチに激しく落下。そのまま担架で運び出された。

 柏が10人になっていた時間帯に名古屋が先制する。前半17分、再び右45度の絶好の位置でFKを獲得。今度はFW玉田圭司がキッカーを務め、左足から放った正確なキックがゴール右上隅に吸い込まれた。

 ピッチを出ていたレアンドロはそのまま前半19分にMF澤昌克と交代。レアンドロとの接触プレーでファウルを取られた闘莉王に対してはその後、ボールを持つたびに柏サポーターから激しいブーイングが飛ぶようになった。

 司令塔を失った柏だったが、徐々に反撃に出る。前半23分、MFジョルジ・ワグネルがドリブルで駆け上がり、自ら強烈な左足ミドルでゴールを襲うと、同28分にMF茨田陽生、同32分には田中が積極的にシュートを狙った。

 名古屋はラインが下がり、柏の攻勢にさらされる時間が続く。柏は前半36分、DF酒井宏樹がアーリークロス。こぼれ球に反応したワグネルが左足で弾丸シュートを放つが、ゴール上に外れた。同45分には左SBの橋本和が逆サイドへクロス。澤が頭で折り返し、ワグネルが詰めたが、シュートは闘莉王がブロックし、前半は名古屋の1点リードのまま折り返した。

 後半立ち上がり、両チームがビッグチャンスを迎える。名古屋は後半4分、カウンターからダニルソンが左サイドをドリブルで駆け上がり、ゴール前に折り返すと、MFブルザノビッチのシュートはGK桐畑和繁が至近距離でセーブ。柏も同5分、澤が右サイドのスペースにスルーパスを送り、田中の折り返しに澤が詰めたが、シュートはやはりGK高木義成の好セーブに阻まれた。

 互いに決定機を生かせなかったが、試合の流れは柏に傾く。相手陣内に攻め込み、チャンスをうかがうと、後半17分、相手のクリアミスを拾った田中が左足でシュート。これは闘莉王が体を張ってブロックしたが、同20分、ついに同点に追い付いた。

 右サイドからドリブルで運んだ茨田が中央に戻すと、ワグネルがワンタッチでスルーパス。オフサイドラインをかいくぐった田中は振り向きざまに右足を振り抜き、ゴール左隅に流し込んだ。

 1-1に追い付かれた名古屋は後半21分、ブルザノビッチに代えてFW永井謙佑を投入。ところが、この直後に思わぬ事態になった。同22分、前半から判定に異議を唱えていたストイコビッチ監督が退席処分。指揮官不在の状況に追い込まれた。

 勢い付く柏は後半24分、スルーパスに抜け出した田中がシュート。これはDFがゴールラインぎりぎりでクリアしたが、この直後に柏が逆転に成功した。同25分、右サイドから酒井がクロスを上げると、GK高木がまさかのファンブル。ゴール前に詰めていた澤が難なく押し込み、2-1と試合をひっくり返した。

 名古屋は後半29分、DF阿部翔平に代えてMF磯村亮太を投入。DF田中隼磨が左SBに回り、磯村は右SBに入った。しかし、試合の流れは変わらない。柏は後半32分、DF橋本和のスルーパスから田中が再び決定機を迎えるが、シュートはGKがセーブ。名古屋は同36分、田中隼に代えてMF金崎夢生を投入し、最後のカードを切った。

 同点に追い付きたい名古屋は右SBに小川、左SBに磯村が入る攻撃的布陣。ダニルソンと藤本がダブルボランチ気味になり、右サイドに玉田、左サイドに永井が開き、前線はケネディと金崎が縦関係の2トップを組んだ。

 後半37分には小川のオーバーラップから折り返しに金崎が合わせるが、シュートは枠を捉え切れない。後半ロスタイムには立て続けにCKのチャンスを獲得したが、柏守備陣も体を張って跳ね返す。結局、そのまま1-2で終了。連勝が2で止まった名古屋は3試合ぶりの敗戦で横浜FM、柏に抜かれ、4位に後退した。

[写真]決勝点を決めた澤

(取材・文 西山紘平)

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