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鹿島先制も…劣勢の名古屋が闘莉王弾で引き分けに持ち込む

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[9.18 J1第26節 鹿島1-1名古屋 カシマ]

 J1第26節は18日、各地で3試合を行い、カシマスタジアムでは5位鹿島アントラーズと4位名古屋グランパスが対戦。鹿島は後半32分にMF増田誓志のゴールで先制したが、名古屋も同37分にDF田中マルクス闘莉王が同点弾。1-1の引き分けで、勝ち点1を分け合った。連敗を免れた名古屋だが、首位・G大阪との勝ち点差は4のまま。一方の鹿島は2戦連続ドローとなり、順位も仙台に抜かれて6位に後退した。

 鹿島はU-22日本代表FW大迫勇也が不在のため、FW田代有三が2試合ぶりに先発。練習中に左手中指を骨折したMF小笠原満男はベンチスタートとなり、代わってMF青木剛が13試合ぶりに先発した。それ以外は前節・新潟戦(2-2)と同じメンバーだった。
 名古屋はU-22日本代表FW永井謙佑が不在。右腓骨筋腱脱臼で離脱していたGK楢崎正剛が7月31日の福岡戦(3-0)以来、8試合ぶりに復帰したほかは前節・柏戦(1-2)と同じ先発メンバーで臨んだ。柏戦で退席処分を受け、ベンチ入り停止のストイコビッチ監督に代わりジュロヴスキー・ヘッドコーチがベンチで指揮を執った。
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 立ち上がりからホームの鹿島が果敢に攻め込んだ。前半9分、DF西大伍が右サイドから仕掛け、ゴール前に折り返すと、FW田代有三が落としたボールにMF遠藤康がPA内へ走り込んだが、シュートは打ち切れない。同12分にはMF野沢拓也の右CKからDF岩政大樹がヘディングシュート。完璧なタイミングだったが、GK楢崎が鋭い反応でかき出した。

 鹿島の攻勢は続く。前半14分、DFアレックスの左クロスに合わせた田代のヘディングはゴール右へ。同18分には自陣で足を滑らせたMFダニルソンからボールを奪った青木が思い切りよくロングシュートを狙ったが、クロスバーの上。同23分、右サイドからカットインした遠藤の左足ミドルもGK楢崎に阻まれた。

 防戦一方の名古屋は前半16分、右サイドでボールを持ったMF藤本淳吾のアーリークロスに逆サイドからFW小川佳純が飛び込むが、左足のシュートはミートできず、GKの正面。鹿島のプレッシャーの前に思うようにボールをつなげず、攻撃を組み立てられなかった。

 前半31分にようやく名古屋がチャンスをつくる。中央からパスをつなぎ、PA手前でキープしたFWケネディのスルーパスに小川が走り込み、右足でシュート。決定的な形だったが、GK曽ヶ端準がビッグセーブを見せ、ゴールを許さなかった。

 鹿島も試合の主導権を握り続けるが、攻め疲れからか、徐々に攻撃の圧力が弱まる。前半42分にはカウンターからチャンスをつくり、アレックスの折り返しをフリーの野沢がPA外から狙ったが、シュートはゴール左へ。優勢に試合を進めながら最後の精度を欠き、前半は0-0で折り返した。

 後半に入っても試合の流れは変わらない。鹿島がゲームを支配し、名古屋を押し込む。しかし、後半11分のFW興梠慎三のミドルシュートも枠を外れるなど1点が遠い。リズムをつかめない名古屋は後半19分、ブルザノビッチに代えてMF金崎夢生を投入。小川が中盤に下がって金崎は右FWに入り、FW玉田圭司が3トップの左に移った。

 鹿島は後半22分、野沢のFKのセカンドボールを遠藤がダイレクトボレーで狙うが、ダニルソンが体を張ってブロック。何とか流れを変えたい名古屋は後半25分、ケネディのポストプレーからカウンターを仕掛け、右サイドでパスを受けた金崎がシュート性のクロスを送るが、そのままゴールラインを割った。

 徐々に運動量が落ち、攻守の切り替えが遅くなってきた名古屋に対し、鹿島はさらに攻め立てる。後半29分にはアレックスのスルーパスから青木が左サイドを抜け出し、ゴール前にクロス。興梠がフリーの体勢からヘディングで叩き付けたが、わずかにゴールの枠を外れた。

 名古屋は後半29分、藤本に代えてMF磯村亮太を投入。鹿島も同31分、遠藤に代えてMF柴崎岳をピッチに送り、最初の交代カードを切った。すると、その直後の後半32分だった。野沢の左CKを一度はGK楢崎がパンチングでクリアしたが、こぼれ球をPA外のMF増田誓志が左足ダイレクトボレーで叩き付ける。豪快な一撃がゴール右隅に吸い込まれ、ついに鹿島が先制点を奪った。

 しかし、王者・名古屋も簡単には引き下がらない。失点から5分後の後半37分、左CKのセカンドボールを拾ったDF田中隼磨がもう一度、左サイドに展開。小川のクロスにフリーで飛び込んだケネディのヘディングシュートは右ポストを直撃したが、ゴール前に跳ね返ったこぼれ球を混戦からDF田中マルクス闘莉王が押し込んだ。

 1-1の同点に追い付いた名古屋は後半42分、玉田に代えてDF千代反田充を投入し、3バックに変更する。すでに横浜FM対G大阪の首位攻防戦が引き分けで試合を終えていたためか、劣勢の展開のアウェーゲームで勝ち点1とよしとしたか、守備を固めに入った。

 一方、逆転優勝のためには是が非でも勝ち点3がほしい鹿島は後半44分に西に代えてMF本山雅志を投入し、最後までゴールを目指したが、名古屋の厚い壁に阻まれる。後半ロスタイムには絶好の位置でFKを獲得したが、枠を捉えた野沢のキックはゴール目前で闘莉王にヘディングでクリアされ、そのまま1-1で終了した。

(取材・文 西山紘平)

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