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鹿島は10人の相手を崩せず11試合ぶり黒星。ACL出場権も遠のく

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[10.2 J1第28節 鹿島0-1柏 カシマ]
 鹿島アントラーズは10人の柏を相手に猛攻を仕掛けたが、崩し切れずに0-1敗戦。7月27日のG大阪戦(1-4)以来11試合ぶりの黒星を喫した。最近で見ても8月28日の福岡戦(6-0)以来4試合連続(3分1敗)で白星から見放され、勝ち点は41のまま。奇跡の優勝はおろか、3位以内のACL出場権争いでも大きく後退した。
 前半31分に先制点を許したが、同42分に柏DFパク・ドンヒョクが2枚目の警告を受けて退場し、鹿島が圧倒的にボールを支配した。後半開始からはMF遠藤康に代えてFW大迫勇也を投入し、FW田代有三、FW興梠慎三とともに前線を3トップ気味にした。しかし、ゴールが奪えない。
 後半12分にはMF青木剛に代えてMF小笠原満男を投入。ボランチに入った元日本代表が効果的なパスを送るシーンもあったが、最後まで全員で引いて守った柏の守備網を崩すことはできなかった。小笠原は「相手は引いてきたが、それでもやりようはある。引かれたらお手上げというのでは……。勝てなくて悔しい」と肩を落とした。
 数的優位になってからは圧倒的にボールを支配したが、横パスが多くなってしまった。小笠原は「揺さぶることは大事だけど、何のために揺さぶるのか。揺さぶっていく中で、どこかで仕掛けないといけない」と縦パスや強引なドリブル突破が少なかったことを嘆いた。日本代表MF増田誓志も「1人少なくなったので、もっと圧倒しないといけない」と悔しがった。
 たしかに約50分間も数的優位にありながら、シュート数は柏の7本に対し、鹿島は4本多いだけの11本に終わった。増田は「勝ちきれなかったので、なんとも言えない」としたが、柏のカウンターを警戒しつつも、シュートは20本くらい打ってもいい展開だった。オリヴェイラ監督は「ゴールを決められなくて残念だが、相手の献身的な守備を評価しないといけない」と柏の守備陣を評価したが、サポーターにとってはストレスの溜まる試合になった。
 名古屋が清水に敗れたため3位に後退したが、鹿島との勝ち点差は12とまだまだあり、残り6試合での3位以内によるACL出場権は難しい状況となった。とはいえ、鹿島はJリーグを代表する伝統あるチーム。どんな状況でも勝ち点3、少しでも上の順位を目指すのが鹿島たる所以でもある。最後まで諦めずに戦い続けるつもりだ
[写真]悔しがる鹿島イレブン
(取材・文 近藤安弘)

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