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鹿島が4度目Vへ王手!!延長戦の末に柴崎の決勝弾で名古屋を下す

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[10.9 ナビスコ杯準決勝 名古屋1-2(延長)鹿島 瑞穂陸]

 ナビスコ杯準決勝が9日に行われ、鹿島アントラーズは1-1でもつれ込んだ延長戦の末に名古屋グランパスに2-1で勝利した。高卒ルーキーのMF柴崎岳のプロ初ゴールが決勝点となり、準優勝に終わった06年大会以来の決勝進出を決めた。

 指揮官の采配が的中し、鹿島が5年ぶりの決勝へ駒を進めた。1-1で迎えた延長後半開始と同時に最後の交代枠を使い、FW興梠慎三に代えて、MF本山雅志を投入。直後の延長後半2分だった。本山がPA手前からノールックでスルーパス。出足が遅れた相手MFの裏を突き、柴崎がPA内右へ抜け出すと冷静に右足を一閃。GK楢崎正剛の頭上を抜けたボールはゴールネットへ吸い込まれ、鹿島が2-1と勝ち越した。投入直後の本山のアシストから柴崎がプロ初ゴール。これが決勝点となり、鹿島が02年大会以来、4度目の優勝へ王手をかけた。

 試合後のテレビインタビューでオズワルド・オリヴェイラ監督は「本山は日本の宝物じゃないかなと思う。悲しいのは90分間プレーできないことだが、一瞬のひらめきや咄嗟の判断は日本のトップ。彼一人でゲームをつくれ、流れを変えることができる」と値千金のアシストを果たした本山を称えていた。

 この日の鹿島はDF岩政大樹が左足打撲の影響で欠場。代わってDF青木剛がDF中田浩二とともにCBを務めた。それ以外のメンバーは準々決勝の横浜FM戦から変えずに試合に臨んだ。ファーストシュートで名古屋にチャンスを与え、危ない場面を迎えるも、先制点を奪ったのは鹿島だった。前半10分、MF小笠原満男が中盤でボールカット。前線へスルーパスを送ると、これに抜け出したFW大迫勇也が冷静に右足シュート。1-0とリードを奪った。

 その後もFW興梠慎三が豊富な運動量からチャンスを演出。前半ロスタイムにはMF野沢拓也の左クロスから興梠がシュート。GKに阻まれるも、こぼれから再び展開し、小笠原がゴール正面の興梠へスルーパス。しかし、このシュートはゴールライン上でDF田中マルクス闘莉王にクリアされた。ゴール前での精度を欠き、追加点こそ奪えなかったものの、名古屋の3本を大きく上回る9本のシュートを放ち、前半をリードして折り返した。

 しかし後半途中から流れは一変。高い位置を取り、攻め込んでくる名古屋を相手に後手を踏む。押し込まれる時間が続くと、後半35分にFKを献上。最後は闘莉王に決められて、1-1の同点に追いつかれた。そして、試合は15分ハーフの延長戦へ突入。両サイドが攻めあがってくる名古屋を前にチャンスをつくれず、苦しい時間が続いた。延長前半も耐え続け、前線に上がってきた闘莉王の対応に後手を踏む。それでも、延長後半開始と同時の交代が的中。本山のアシストから柴崎の劇的ゴールで勝利を手に入れた。

 試合後のテレビインタビューで決勝点を決めた柴崎は「モトさん(本山)から、いいボールが来たので迷いなく振り切りました」と淡々とゴールシーンを振り返り、プロ初ゴールについては「言葉では言い表せないほどに嬉しかった」と話した。また先制点を決めた大迫は「きょうは後ろの選手に申し訳ない気持ちだったので」と勝利にも浮かない表情。「次も勝てるように、次はもっと頑張りたい」と決勝へ向けて力を込めた。鹿島は10月29日、4度目の優勝を目指して浦和vsG大阪の勝者と決勝戦を戦う。

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