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「点を取らないと評価されない」U-22代表FW大迫、1トップ死守ヘブレずに「ゴール」

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 ロンドン五輪を目指すU-22日本代表は短期合宿2日目の18日、東京都内で約2時間のトレーニングを行った。11対11のゲーム形式のトレーニングをメンバーを代えて2本実施するなど、チームの戦い方やコンビネーションの向上に務めていたU-22日本代表。合宿最終日のあす19日には、東京・町田市立陸上競技場でJFLの町田ゼルビアと練習試合を行う。

 今、誰よりもゴールにこだわっている男が、実戦練習で鮮やかなゴールを決めた。1本目終了間際の19分、左サイドのMF高木俊幸(清水)がPAへ放り込んだ絶妙なクロスにDFを振り切って飛び込むと、スライディングシュートでゴールへと押し込んだ。「(FWは)点を取らないと評価されないところなんで」と常にゴールを口にするストライカー、大迫勇也(鹿島)が決めた先制ゴール。実戦練習でゴールを決めたのは1本目が大迫とDF大岩一貴(中央大)、2本目はMF山田直輝(浦和)だけだった。この日FW陣で唯一のゴールを決めた大迫は、ゴールシーンのほかにも左サイドからドリブルで仕掛けて、相手のディフェンスラインを突破するシーンを幾度かつくり、そのままシュートへ持ち込むなどゴールへの意欲は誰よりも高いように映った。

 ロンドン五輪アジア最終予選初戦のマレーシア戦で1トップで先発した大迫。エース格のFW永井謙佑(名古屋)をはじめ、他の候補FWたちにとっても大迫はターゲットになっている。ただ「(周りを気にすることは)ないです。点を取っていけば評価されるし、他の人がどうというよりも自分次第なんで。鹿島でもそうですし、点を取れば自然と試合には出られる。それを積み重ねていくことで信頼を得られると思います」と大迫はブレずにゴールだけを狙っている。
 
 マレーシア戦ではややミスが目立ちノーゴールのまま途中交代と、不完全燃焼で終わった。ただ鹿島ではナビスコ杯準々決勝の横浜FM戦、続く名古屋戦と2試合連続で貴重なゴール。結果を残すことでその存在がクローズアップされるようになってきている。「鹿島でもコンスタントに試合に出られるようになってきている。より取れるように準備していきたい。ラスト、ゴール前の仕掛けのところをもうちょっと上げていければもっと点を取れると思う。明日も点に絡むことです」。鹿児島城西高時代は高校選手権の得点記録を更新する“怪物”ぶりを発揮して「大迫はハンパない」とその注目度を高めた。現在ポジション死守へのテーマは同じ「ゴール」。、「もっと取れる」と語る世代を代表するストライカーは、自身の信頼を高めるためにもあすの町田ゼルビア戦でゴールを破る。

(取材・文 吉田太郎)

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