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金崎が存在感を発揮。恩師も「近い将来にA代表に定着」と太鼓判

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[10.19 練習試合 U-22日本代表候補3-1町田ゼルビア 町田]

 まずまずのプレーを披露し、存在感を発揮した。MF金崎夢生(名古屋)が町田ゼルビアとの練習試合で実力をアピールした。主力組と見られる1本目に4-2-3-1の右MFで出場。持ち味のドリブルとパス、そしてゴールへの積極性を見せた。ゴールやアシストは出来なかったが、しっかりと見せ場を作った。

 9分にはスルーパスで左MFの山崎亮平(磐田)のシュートを導いたほか、22分には名古屋のチームメイトの永井謙佑のパスを受けて突進し、右足シュートを放った。圧巻だったのは27分と41分だ。27分には右サイド自陣側で相手選手2人を背負いながらパスを受けたが、巧みなドリブルで突破して味方につないだほか、41分には右サイドをドリブルで仕掛けて左サイドから中に走ってきた山崎に斜めのスルーパスを通すなどA代表経験者の“違い”を見せた。

「あまり一緒にやってないですけど、もっとこうしたいとか、そういう部分が出てきたことが良かった。また一緒にやる機会があれば詰めていきたい。そういうことが出たことが大事だと思う」

 金崎は、このチームにおいて自身がどうプレーするほうが良かったのか、また、味方と合わせるためにもっとこうしたほうが良かったなど、実戦を通じて修正点がわかったことをプラス材料に挙げた。U-22日本代表の生き残りに向けた手応えについては余り口にしなかったが、表情にはある程度の“やれた感”が漂っていた。

 恩師も太鼓判を押した。この日の対戦相手だった町田ゼルビアの指揮官は、大分時代の2009年に金崎を指導しているランコ・ポポヴィッチ監督だった。試合前に、金崎や同じく大分時代に指導しているMF東慶悟(大宮)と談笑していたが、試合後に取材に応じたポポヴィッチ監督は「きょうの試合前に2人に言ったのは、うちのパス回しから出られなくなるから気を付けろよと言いました(笑)。大分時代にはパス回しで21本を通されたら腕立て伏せの罰を科していたけど、そうならないように気を付けろよと言いました」と冗談を言いながらも、関塚ジャパンに初招集された金崎については、こう加えた。

「彼に関しては、何も言うことがないですね。今、素晴らしい監督のもとでプレーしている。人間的にも謙虚な性格で、素晴らしい人間性をもった選手。彼は必ず、近い将来にA代表、ザッケローニさんのところに定着する選手です」

 恩師からA代表復帰を期待されていることについて金崎は「頑張ります」と話し、そのステップになるといえるU-22日本代表への定着に意欲を示した。「今後? 選ばれてもいいようにしっかりと準備したいと思う。しっかりと自分のコンディションを上げていくことが大事になる」と力強く言い切った。

 今季は怪我に苦しんだが、ここに来て出番も増えてきており、コンディションが戻りつつある金崎。だからこそ、ポポヴィッチ監督だけでなく、周囲も期待を寄せる。この日の試合で、さっそくレギュラー組と見られる1本目で起用されたことは、関塚隆監督も期待している証といえる。今後は名古屋でしっかりとしたプレーをし、11月のバーレーン戦(23日・アウェー)とシリア戦(27日・ホーム)の2連戦では主力として君臨するつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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