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堀新監督の初陣となった浦和が横浜FMに逆転勝ち!リーグ戦9試合ぶり白星で暫定15位に浮上

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[10.22 J1第30節 横浜FM1-2浦和 日産ス]

 J1第30節の第1日が22日に各地で行われ、日産スタジアムでは前節4位の横浜F・マリノスと同16位の浦和レッズが対戦した。浦和はペトロヴィッチ監督が解任され、ユース監督から昇格した堀孝史監督の初陣で注目を集めた中、MF原口元気とMF梅崎司のゴールで2-1逆転勝ち。リーグ戦9試合ぶりの白星で勝ち点を32に伸ばし、J1残留圏内の暫定15位に浮上した。あす23日に試合がある暫定16位の甲府とは勝ち点2差。甲府が引き分け以下だと、浦和はひとまず降格圏から抜け出すことになる。

 横浜FMはDF金井貢史が出場停止だが、MF中村俊輔がリーグ戦7試合ぶりに先発復帰した。システムはダイヤモンド型の4-4-2でGKは飯倉大樹、DFラインは右から小林祐三、栗原勇蔵、中澤佑二、波戸康広。中盤はワンボランチに小椋祥平、右MFに谷口博之、左MFに兵藤慎剛、トップ下に中村俊輔が入った。2トップは大黒将志と渡邉千真が組んだ。

 堀孝史新監督を迎えた浦和は、MFマルシオ・リシャルデスが負傷欠場。代わりにMF山田直輝が2試合ぶりに先発。またMF原口元気が2試合ぶりに先発復帰した。システムは4-1-4-1に変更となりGKは加藤順大、DFラインは右から平川忠亮、濱田水輝、永田充、宇賀神友弥。アンカーは鈴木啓太が務め、右のアウトサイドには梅崎司、左のアウトサイドには原口元気が入った。2列目の中央には山田直輝と柏木陽介が入り、1トップはエスクデロ・セルヒオが務めた。

 開始2分、浦和が見せ場を作った。カウンターから梅崎が得意のドリブルで右サイドを突破。PA右から強烈なミドルシュートを放った。GK飯倉に弾かれたが、積極的な姿勢を見せた。しかし、その2分後、横浜FMが先制した。

 前半4分、渡邉千真がPA左を仕掛けて右足シュート。これは平川に当たったが、跳ね返りがPA内中央の大黒将志のもとへ。すぐさま大黒はダイレクトで左足ボレーを放った。これも再び浦和選手にブロックされたが、大黒はこぼれ球に反応して右足で押し込み、1-0リードをもたらした。

 その後、横浜FMが引き気味に守り、かつ攻撃も無理をしない展開を続けたため、一進一退の攻防が続く。浦和は左右の原口と梅崎のほか、山田直のパスワークで何とかしようとしたが、足元へのパスが多く、横浜FMのDFラインを割ることはできなかった。

 それでも浦和は前半27分、決定機を作る。中央から山田直がPA左手前の原口にラストパス。原口は日本代表DF栗原にマークされていたが、鋭い切り返しで逆を取り、左足を一閃。しかし惜しくもクロスバーを叩いてしまった。

 その後も浦和がボールを支配したが、2トップを残して全員で守った横浜FMの守備は硬かった。浦和はボールを持ち込んでも、バイタルエリアで十分なスペースが得られず、攻略することができない。結局、前半は横浜FMの1-0で折り返した。

 ともにメンバー変更なく後半がスタート。開始5分、浦和が同点に追いついた。ゴール前で山田直輝が倒されてPKを獲得。山田が自らキッカーを務め、これはGK飯倉にセーブされたが、こぼれ球を原口元気が押し込んで1-1の振り出しに戻した。浦和にとつてはリーグ戦6試合ぶりの得点となった。

 これで浦和が勢いに乗り、横浜FMは押し込まれる展開が続く。そして後半12分、横浜FMは流れを変えるべく渡邉に代えてFW小野裕二を投入した。しかし、浦和が2-1逆転弾を奪った。同16分、右サイドでの速いリスタートから梅崎司がドリブルで持ち込み、3対2の好機に持ち込む。梅崎はPA右付近で左足ミドルを放ち、ゴールネットに突き刺した。積極的な姿勢がゴールを生んだ。

 浦和は後半22分、宇賀神に代えて怪我から復帰したDF高橋峻希を送り出した。横浜FMは同24分、FKの跳ね返りを小椋が詰めたが、枠を外した。浦和は同30分、山田直のパスを受けた原口がPA内に突進し、GK飯倉も交わしてシュートまで行こうとしたが、最後は角度がなくなり、うまく決められなかった。

 横浜FMは後半30分、谷口に代えてDFキム・クナンを投入。キムはいつものようにFWに入り、横浜FMはハイボール戦術に出た。浦和は同35分、梅崎に代えてFW高崎寛之を投入。エスクデロが右MFに下がった。

 横浜FMは俊輔のキックを起点に、徹底したロングボール戦術で浦和ゴールに迫るが、浦和がしっかりと跳ね返した。後半42分、横浜FMは最後の交代カードを切る。波戸に代えてDF青山直晃を入れ、長身の栗原の前線に上げた。対する浦和は同44分、エスクデロに代えてDF坪井慶介を送り出し、守備固めに入った。

 ロスタイムは4分。終盤、横浜FMは“4トップ”にし、徹底したハイボールで押し込むが、うまくいかない。浦和は永田と濱田のCB、そして坪井が加わって跳ね返す。後半49分、右サイドから俊輔の左足クロスにキムが頭を合わせたが、右に外れた。試合はそのまま浦和が2-1で勝利。終了の笛がなった瞬間、選手たちはベンチに駆け寄り、堀監督や仲間たちと喜びを分かち合っていた。

(取材・文 近藤安弘)

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