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ニューヒーロー賞の原口、“03年の再現”でMVPを狙う。「タツヤさんみたいな偉大な先輩に追いつきたい」

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 ナビスコ杯2011のニューヒーロー賞に浦和レッズのMF原口元気が選出された。A代表の活動で準々決勝のC大阪戦、準決勝のG大阪戦は欠場したが、1回戦・山形戦の第1戦、2回戦・大宮戦の第1戦でゴール。3試合出場2得点で序盤の勝ち上がりに勢いをつけたことが評価されての選出となった。
 クリスタルオーナメントに賞金50万円、ヤマザキナビスコ製品1年分が贈呈された原口は、壇上で無数のフラッシュを浴びて笑顔を見せつつも、「狙っていたし、嬉しいです。でも、自分は準々決勝と準決勝に出られなかった。チームが決勝まで残らなかったら、自分は選ばれなかったと思う。チームメイトに感謝したいです」と決勝まで導いてくれた仲間に、感謝の思いを言葉にした。
 チームメイトからは、準々決勝と準決勝に出場していないため「なんでお前なの? おごれよ」などといじられたが、原口は「みんなとご飯に行ったときにおごろうと思います。自分にも何かご褒美を上げたいと思います」と賞金でますは仲間に“恩返し”をし、残ったお金で自分へのプレゼントを購入することを明かした。
 ナビスコ杯優勝。浦和にとっては2003年以来8年ぶり2度目の獲得となるが、現在のチーム状況を考えると、15位とJ2降格の危機にあるリーグ戦に弾みをつけるためにも獲りたいタイトルとなる。そして、原口にとっては名実ともに“浦和の顔”となるべく、必要なタイトルになる。
 2003年の鹿島との決勝戦。この試合、FWエメルソンやFW田中達也のゴールなどで4-0勝利し、クラブ初タイトルを掴んだ。真っ赤に染まった国立のスタンドは、この上ない盛り上がりを見せた。当時はまだ小学生だった原口は、自宅のテレビで観戦。同じくスピードとドリブルが武器の田中のプレーに酔いしれたという。
「レッズが大好きだったので、テレビで見ていました。タツヤさんがニューヒーロー賞とMVPを獲った大会。カットインからすごくいいゴールを決めたのを覚えている。ああいうふうに明日、相手も鹿島ですし、やりたいなと思う。そして、タツヤさんみたいな偉大な先輩に追いつきたい」
 浦和の大先輩越えを狙う原口には、あす29日の決勝で03年の田中達也(浦和)、07年の安田理大(当時G大阪)、09年の米本拓司(F東京)に続く4人目ニューヒーロー賞&MVPのダブル受賞が期待される。「明日はやっぱり優勝したいので、ますはチームが優勝するためにプレーする。その中でチームの勝利につながるゴールを決められたら、MVPに選ばれると思う。狙うといったおかしいですけど、しっかりチームに貢献したいです」とW受賞を視野に入れた。
「まだ優勝したわけじゃない。やっぱりみんな優勝したいと思っている。そこが一番大事なこと。そこにこだわってやっていきたい。明日も責任感を持って、プレーしないといけないと思う。明日、優勝してもっと喜びたい」と原口。準々決勝、準決勝は仲間が頑張ってくれたが、あすの大一番は自らのゴールで栄冠をもたらす。
(取材・文 近藤安弘)

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