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浦和は早くもリーグ戦に切り替え。主力2選手出場停止に疲労が心配も「次の目標に向けて頑張りたい」

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[10.29 ナビスコ杯決勝 浦和0-1(延長)鹿島 国立]

 2003年以来8大会ぶりとなる優勝へ、そして、失っている「自信」の回復へ。浦和レッズは最後まで諦めない姿勢を貫いたが、延長の末に0-1で敗れた。延長後半途中からDF濱田水輝を前線に上げて同点を狙うなど執念を見せたが、ゴールは割れず。試合終了のホイッスルが鳴ると、選手たちは疲れきった表情でピッチにしゃがみ込んだ。

「決勝でアントラーズさんと戦うということで、選手と一緒に挑戦するつもりでゲームに入ったが、アントラーズさんの方が試合運びが一枚上だと感じた。1人退場者が出て難しいゲームになったが、選手たちはよく戦ってくれた。今後はリーグ戦が続くので、気持ちを切り替えて、次の目標に向けて頑張りたい」

 就任から2戦目がナビスコ杯決勝という大舞台となった堀孝史監督。会見では悔しさをにじませながらも、リーグ戦に向けて“切り替え”を強調した。浦和は現在、リーグ戦15位とJ2降格の危機にある。この試合の結果は当然悔しいが、いつまでもくよくよしていられない事情がある。

 選手たちも、試合後に取材エリアに現れたときには、悔しさを噛み殺し前を向いていた。MF原口元気も「悔しいですけど、もう、切り替えています。自分たちはリーグ戦で残留しないといけないので。(22日のリーグ戦で2-1勝利した)マリノス戦のような試合ができるように準備したい」と11月3日のリーグ・磐田戦を見据えた。MF柏木陽介は「準優勝という結果も素晴らしいと思う。これを機に(リーグ戦の)残り4試合も全力で戦いたい」と強調した。

 しかし、この日の試合でMF山田直輝が退場となり、磐田戦の出場停止が決まった。累積警告で出場停止の元日本代表MF鈴木啓太と共に、要といえる中盤のレギュラー2人を欠いて挑むことになった。堀新監督就任後、時間は短かったとはいえ4-1-2-3の新システムが機能していただけに、中盤の構成を変えるのは不安が募る。

 ルーキーのMF小島秀仁をボランチで先発起用するほか、FWエスクデロ・セルヒオを右サイドに回してMF梅崎司をトップ下に据える、また、FWデスポトビッチやFW高崎寛之の先発復帰など様々なプランが考えられるが、試合まで中4日。あす30日は試合翌日のため、本格的な練習ができないことを考えると準備期間はあまりに短い。ましてやこの日は、120分間を戦っているのだ。

 だが、選手たちは悲観していない。この日、鹿島を相手に前後半の90分間はスコアレスで終え、延長を含めて失点するまでの約105分間、粘り強い戦いを見せた。GK加藤順大は「みんな本当に頑張っていた。チームに対する思いは強かったと思うし、この気持ちを残りの全ての試合で出すことを約束したい」と言い切った。

 エスクデロも「優勝できなかったことは残念ですけど、僕らは勝っていたとしても、喜んでいる暇はなかった。悔しさを次の磐田戦にぶつけられるよう切り替えたい」と前を向いた。『敗戦ショック』、『鈴木と山田直の欠場』、『120分間の疲労』と磐田戦では“三重苦”がのしかかるが、ファイナリストとしての意地、悔しさ、サポーターへの想い……。すべてをエネルギーにし、今こそチーム一丸で跳ね返す。

(取材・文 近藤安弘)

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