[11.5 第90回全国高校選手権山梨県大会決勝 山梨学院2-1帝京三 山銀スタ]

　湘南ベルマーレ加入が内定している帝京三CB亀川諒史主将(3年)は「やってきた中で一番いいゲームだった。ただ前半も後半も学院が最後の5分に強いのは分かっていた。警戒していたところで負けたのは悔しい。監督を全国へ連れて行きたかった」とわずかな差で届かなかった全国舞台へ悔しさを滲ませていた。

　全国屈指の強豪に対して試合の流れをつかんでいたのは帝京三の方だった。コンパクトな守りから局面、セカンドボールの攻防戦でも優位に立っていた。今大会は本来のSBではなくCB起用されてきた亀川自身も帝京三で磨かれた守備力の高さを発揮。同じくJへ進む山梨学院FW白崎凌兵にゴールを許さなかったほか、相手を危険なゾーンへほとんど入り込ませなかった。

　ただ前半終了間際の接触プレーで脇腹を強打。「後半声も出すことができなかった」という亀川はチームを後押しできなかったことを悔やんだ。後半6分にはインターセプトから得意のドリブルで中央突破するとFW柴崎航へラストパスを通すなど、存在感は発揮していたが勝利には結びつけることができなかった。

　高校1年までFWでその後DFに転向。武器であるドリブルに加えて帝京三で磨かれた守備のセンス、強さを身に着けてプロになる夢をかなえた。それだけに相良和弘監督やコーチングスタッフに恩返しをしたかった。「監督を全国に連れて行って恩返しがしたかった。それが第1目標だった。それができなかった今はベルマーレで試合に出ることが次の目標。プロで試合に出ることで監督に恩返ししたい。ドリブルとCBをやってきたこと(守備面)活かして、攻撃的なSBとしてやっていきたい」。前を向いて新たな目標達成を誓っていた。

(取材・文　吉田太郎)

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