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“J1復帰内定弾”のF東京・高橋、「優勝してから喜びを爆発させたい」

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[11.12 J2第35節 F東京2-0水戸 味スタ]
 至上命題だった1年でのJ1復帰が“ほぼ”決まった。FC東京は水戸を2-0で下して勝ち点を71に伸ばし、残り3試合で3位の徳島に同9差とした。得失点差も徳島とは25上回っており、余程の大敗で3連敗しない限り、J1昇格の条件となる3位以内をキープできる。
 “J1復帰内定弾”を決めたのはMF高橋秀人だった。0-0の後半4分、右CKのチャンスでMF石川直宏のキックに飛び込んで先制弾を決めた。「うまく当てることだけ考えた。当たったあとにボールを見たら、ネットに吸い込まれていた。あのとき自分のマークが少しゆるかった。水戸は2番目にヘディングが強い人が僕のマークだった。何で1番強い人を付けてくれないんだと思いながらやっていた」。この時、フィールドプレーヤーで2番目に上背があったのは182cmの高橋だった。甘く見られたことに奮起し、石川のボールに飛び込んだ。
 この日はDF今野泰幸が日本代表で不在で、DF森重真人が出場停止だった。いつもはこのCBコンビがセットプレーの際に第一ターゲットとなり、高橋は“おとり”になることが多かった。だが、2人とも不在だったため、セットプレーでは高橋やFWルーカスの頭に期待が寄せられた。そもそも、高橋は前節まで3得点を決めているが、身長182cmを有しながらもヘディングでのゴールは0。大熊清監督からは自ら決めるようにハッパを掛けられていたが、ようやく応えた形だ。
 この日、2位の鳥栖、3位の徳島、4位の札幌の結果次第でJ1復帰が決まる可能性があったが、次節19日の鳥取戦(アウェー)以降となることが決まった。とはいえ、残り3試合で3位の徳島とは勝ち点差を9とし、かつ得失点差も25離しており、事実上“当確ランプ”を灯した。当然、チーム力で勝ち取ったわけだが、シーズンを振り返ると、決勝ゴールを決めた高橋の貢献度は高かった。
 開幕当初、ダブルボランチの一角は司令塔の梶山陽平とロンドン五輪世代の米本拓司だった。しかし、米本が4月24日の千葉戦で左膝前十字靱帯を負傷し、手術のため長期離脱。また、助っ人MFホベルトも調整不足と怪我で不在(すでに退団)となり、高橋がレギュラーをつかむことになった。ルーキーイヤーだった2010年はリーグ戦3試合のみの出場でやや不安視されたが、献身的な守備でチームの屋台骨を支えた。梶山も「ボールが奪える選手。体を張るとか、守備の面で無理がきく。守備の部分で貢献してくれた」と高く評価する。
 結局、この日の水戸戦を終えてリーグ戦29試合4得点と不動のレギュラーとして、F東京のJ1復帰ロードを支えた。他のチームメイトも高橋の貢献度を認めている。この日、キャプテンの今野が不在だったため、副キャプテンの石川がキャプテンマークを巻いて先発したが、後半38分に交代。通常は2人目の副キャプテンのGK権田修一かDF徳永悠平が巻くが、高橋が付けることになった。
「ヒデはチームのことを考えられる選手。もちろん、僕もチームのことを一番に考えているけど、ヒデは(将来)キャプテンになるような選手。ほんとチームの事を第一に考えているので、任せてみようかなと思った」と権田が理由を明かした。突然任された高橋は「最初、悠平くん(徳永)が持ってきたので(徳永の腕に)巻いてくれ、ということかなと思ったら、自分が付けるという事だった。非常に重いキャプテンマークでした。任せてもらって、経験になりました」と振り返った。
「みんな優勝しか見ていない。僕らの目標は、強くなってJ1に復帰すること。J2で優勝することです。みんなそこに執念を燃やしている。優勝してから喜びを爆発させたい」
 F東京が次節19日の鳥取戦に勝利し、翌日20日に試合を控える2位の鳥栖が北九州に引き分け以下だとJ2優勝が決まる。仮にF東京が引き分けても、鳥栖が敗戦した場合、優勝となる。水戸戦後、ほぼ昇格を決める状況をつかみながらも、F東京イレブンはあまり喜びを見せなかった。石川も昇格がほとんど決まったことについて「試合後、誰一人、声を大にしていう人はいなかった」と明かした。昇格を確定させ、J2制覇を成し遂げた時、喜びを爆発させる。
(取材・文 近藤安弘)

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