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満身創痍の鹿島が引き分けに持ち込む、興梠が5ヵ月ぶりの劇弾

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[11.19 J1第32節 大宮1-1鹿島 NACK]

 満身創痍の鹿島アントラーズが執念で勝ち点1をもぎ取った。0-1のまま迎えた後半45分、FW興梠慎三の劇的な同点ゴールで追い付き、1-1の引き分け。勝ち点1を手にし、前節・G大阪戦(0-1)に続く連敗を免れた。

 U-22日本代表FW大迫勇也が不在のうえ、延長戦までもつれ込んだ16日の天皇杯3回戦・富山戦でFW田代有三、DF中田浩二が負傷。FWとCBの主力不在の中、前線にはMFフェリペ・ガブリエルが入り、出場停止明けのDF青木剛と本来はSBのDF新井場徹がCBを組んだ。

 メンバー構成に苦慮しながらも立ち上がりからペースをつかんだのは鹿島だった。前半25分、右クロスのセカンドボールをMF遠藤康がミドルシュート。同29分にはDF西大伍のスルーパスから興梠が決定機を迎えたが、シュートはGKに阻まれた。前半43分にはMF野沢拓也、後半17分には遠藤のシュートがクロスバーを直撃。運にも見放され、後半22分には先制を許してしまった。

 それでも後半25分にMF小笠原満男を投入し、MF柴崎岳を右SBに下げる攻撃的布陣で反撃に出ると、同31分にはFWタルタ、MF本山雅志を同時投入。交代枠を使い切って勝負に出た。

 ゴールへの飽くなき執念が実ったのは試合終了間際の後半45分だった。柴崎のワンタッチパスから野沢がスルーパス。本山のシュートは一度はGKに弾かれたが、こぼれ球に詰めた興梠が左足で押し込む。リーグ戦では6月18日の磐田戦(2-0)以来、実に5ヵ月ぶりとなる興梠の今季4点目で引き分けに持ち込んだ。

 オリヴェイラ監督は「我々の選手は、試合というものが終了の笛が鳴るまで終わらないということを知っている」と、追い付いてのドローに納得しながらも、明日の清水の結果次第で7位に後退する暫定6位という状況に「今いる順位は、我々の力を考えたら、恥」とキッパリ。「少しでも良くしていくことを常に考えているわけであり、そういった気持ちが同点に追いついたという結果に結びついていると思う」と、土壇場で意地を見せた選手をねぎらった。

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