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玉田が決勝FK弾も…名古屋は柏に勝ち点1届かず連覇夢散

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[12.3 J1第34節 新潟0-1名古屋 東北電ス]

 J1第34節が3日、各地で一斉に行われ、2位名古屋グランパスはアウェーでアルビレックス新潟と対戦した。後半9分、FW玉田圭司の直接FKで先制すると、そのまま1-0で逃げ切った。首位・柏が引き分け以下なら名古屋の逆転優勝となったが、柏が浦和に3-1で勝ったため、柏の初優勝が決定。わずか勝ち点1差で名古屋の連覇はならなかった。

 新潟はU-22日本代表のDF鈴木大輔、DF酒井高徳、U-22韓国代表MFチョ・ヨンチョルが先発に復帰。前節・甲府戦(0-3)は中盤で先発したFWミシェウが2トップの一角に戻った。
 名古屋は前節・山形戦(3-0)と同じ先発メンバー。ベンチにもU-22日本代表FW永井謙佑が戻り、ベストメンバーで決戦に臨んだ。
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 過去のリーグ戦で1分6敗と一度も勝ったことのない新潟のホームに乗り込んだ名古屋。首位・柏と勝ち点1差で迎えた最終節に勝って、柏が引き分け以下に終われば連覇が決まる一戦は、新潟にとっても負けられないホーム最終戦とあり、序盤から激しい攻防が展開された。

 名古屋はDF田中隼磨、DF阿部翔平の両SBが積極的な攻撃参加を見せる。クロスまで持ち込み、チャンスをうかがうと、前半5分には高い位置でインターセプトしたMF藤本淳吾の左クロスにFWケネディが飛び込むが、わずかに合わない。

 ゴール前まで迫りながらフィニッシュにつなげられない名古屋に対し、新潟は確実にシュートシーンをつくる。前半6分、相手陣内でMF中村直志からボールを奪ったミシェウが右サイドに展開。MF田中亜土夢の折り返しを再びミシェウが受け、右足で狙ったが、シュートはDFにブロックされた。同7分にも左サイドを駆け上がった酒井高が中央に戻し、ミシェウがPA外から右足ミドルを打ったが、GKの正面だった。

 高い集中力と体を張ったディフェンスで名古屋の攻撃を跳ね返す新潟は決定機をつくらせることなく、試合を運ぶ。前半19分には田中の横パスを受けたミシェウが右足ミドルを放つも、GK楢崎正剛が正面でキャッチした。

 攻めあぐねる名古屋は前半30分にようやく決定機をつくる。左サイドで仕掛けた藤本の山なりのクロスをケネディが高い打点のヘディングシュート。しかし、ここはGK小澤英明が何とかかき出し、ピンチを逃れた。

 徐々に新潟を押し込んでいく名古屋は前半38分、MFダニルソンからパスを受けたFW玉田圭司が左足で狙うと、シュートはDFに当たってCKを獲得。MF小川佳純の左CKからDF増川隆洋がつなぎ、最後は玉田がシュートを打ったが、新潟の厚い壁を破れなかった。

 新潟は前半45分、ミシェウの左CKに鈴木が頭で合わせるが、ゴール右へ。両チームともに最後の決め手を欠き、前半を0-0で折り返す。ハーフタイムの時点で首位の柏は浦和を2-0でリード。名古屋は何としてもゴールを奪い、浦和が2点差を追い付くことを祈るしかない状況となった。

 名古屋に待望の先制点が生まれたのは後半9分だった。ゴール正面やや右寄りの位置でFKを獲得。玉田が左足で直接狙ったボールは右ポストをかすめてゴールネットを揺らす。GKが一歩も動けない芸術FKで名古屋がついに均衡を破った。

 一方、浦和対柏の試合も後半8分に浦和が1点を返し、1-2と1点差に追い上げた。柏が同点に追い付かれ、名古屋がこのまま逃げ切れば、名古屋の逆転Vとなる。

 新潟は後半15分、チョと菊地に代えてFWアンデルソン、MF小林慶行を投入。ミシェウが中盤に下がり、アンデルソンとFWブルーノ・ロペスの2トップに変わった。

 早く2点目を奪って試合を決めたい名古屋は先制後も攻め手を緩めない。後半20分には藤本の右CKから増川に決定機が訪れるが、ゴール前の混戦から押し込むことはできない。同28分には藤本が積極的に左足でミドルシュートを狙った。

 名古屋は後半28分、最初の選手交代を行い、中村に代えてMF金崎夢生をピッチに送り込む。金崎は2列目に入り、藤本がボランチにポジションを下げた。直後の同29分には金崎の左クロスに玉田が頭で合わせるが、GKがキャッチ。なかなか2点目を奪えず、試合は終盤に入った。

 後半37分には藤本に代えてFW永井謙佑を投入し、今度は小川がボランチに下がった名古屋。新潟も同時に田中を下げ、MF三門雄大をピッチに送り、交代枠を使い切った。この時点で浦和対柏では柏が追加点を決めて3-1とリードを広げており、たとえ名古屋がこのまま勝っても逆転優勝は厳しい状況となった。

 新潟は後半41分、ミシェウが2枚目の警告で退場処分を受ける。数的優位に立った名古屋は同43分に小川に代えてMF吉村圭司を投入。交代枠を使い切り、逃げ切り態勢に入った。ロスタイムは4分。2点目こそ奪えなかったが、1-0のまま逃げ切った名古屋がアウェーの新潟戦で初勝利を飾り、柏の試合結果を待った。しかし、試合終了から約2分後、浦和対柏は1-3のままタイムアップ。勝ち点を72に伸ばした柏に対し、名古屋は勝ち点71。勝ち点1差及ばず、連覇の夢を断たれた。

(取材・文 西山紘平)

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