ネルシーニョ監督が初の最優秀監督賞を受賞、「夢を信じて努力すれば、必ず叶えることができる」
名将に新たな称号が与えられた。柏レイソルのネルシーニョ監督が『最優秀監督賞』を受賞した。JリーグではV川崎、名古屋も指揮し、1995年のV川崎監督時代は第2ステージ優勝を経験しているが、『完全優勝』は監督としては初。同賞受賞も初となり「プロとして本当に素晴らしい夜を迎えてる。サッカーの世界で55年間生きているが、小さな頃からサッカーを始めて監督に就いてから、Jリーグでは2つ目のタイトルを勝ち取ることができた」と満足気な表情を浮かべた。
2009年7月、J2降格圏に沈んでいた柏の監督に就任した。同年は残念ながらチーム再建には時間が足りず、降格の憂き目にあったが、10年シーズンはダントツの強さを見せ付けてJ2優勝を果たした。そして、就任から約2年半で柏史上初のJ1制覇をもたらした。コリンチャンスやクルゼイロ、サンパウロなどブラジルの名門を率いて数々のタイトルを獲得している名将とはいえ、負け癖が付いていた柏を生まれ変わらせるのは、簡単な仕事ではなかったはず。だが、厳しさを全面に出し、勝者のメンタリティーを植え付けた。
「2年前にこのチームの監督になってから、ヴィトーリア、勝利という意味ですが、それを求めてきた。ヴィトーリアと、言葉は簡単ですが、それを手にするのは非常に難しい。選手たちがそれを強く持ち続けてくれたことで、レイソル史上初のリーグチャンピオンというタイトルを得ることができた。共に戦ってくれたスタッフ、最も大切なプランを遂行してくれた選手たち、そしてレイソルに関わる全ての人達に感謝したい」と信頼して付いてきてくれた選手、スタッフ、関係者に感謝の思いを表した。
表彰式では、あるエピソードを明かし、夢を抱くことの大切さを説いた。「ここで一つ、思い出したことを言いたい。昨年(Jリーグアウォーズの)会場に着いたとき偶然、名古屋グランパスのバスが到着したのを見ました。そこで私の通訳に話をしました。『見ろ、これがチャンピオンチームだ。勝者だ。来年は俺たちがこういうシチュエーションで、こういう登場の仕方をしよう』と。ですからみなさん、自分の夢を見ることは大切です。夢を信じて努力すれば、必ず叶えることができると思います」。
まさに“有言実行”だった。指揮官自ら1年後に大きな夢を叶えてみせた。知将・名将と言われ、その戦略や人心掌握術に注目が集まっているが、夢を叶えるという強い気持ち、自らを信じ続ける強さ。そんな少年のような心が根底にあったからこそ、短期間での再建に成功したのだろう。夢を信じる強い気持ち-。それは人生においても大切なこと。名将は、日本にとってまさに激動の1年だった2011年の締めくくりに、大きな言葉を残してくれた。
▼各賞の一覧はコチラ
(取材・文 近藤安弘)
2009年7月、J2降格圏に沈んでいた柏の監督に就任した。同年は残念ながらチーム再建には時間が足りず、降格の憂き目にあったが、10年シーズンはダントツの強さを見せ付けてJ2優勝を果たした。そして、就任から約2年半で柏史上初のJ1制覇をもたらした。コリンチャンスやクルゼイロ、サンパウロなどブラジルの名門を率いて数々のタイトルを獲得している名将とはいえ、負け癖が付いていた柏を生まれ変わらせるのは、簡単な仕事ではなかったはず。だが、厳しさを全面に出し、勝者のメンタリティーを植え付けた。
「2年前にこのチームの監督になってから、ヴィトーリア、勝利という意味ですが、それを求めてきた。ヴィトーリアと、言葉は簡単ですが、それを手にするのは非常に難しい。選手たちがそれを強く持ち続けてくれたことで、レイソル史上初のリーグチャンピオンというタイトルを得ることができた。共に戦ってくれたスタッフ、最も大切なプランを遂行してくれた選手たち、そしてレイソルに関わる全ての人達に感謝したい」と信頼して付いてきてくれた選手、スタッフ、関係者に感謝の思いを表した。
表彰式では、あるエピソードを明かし、夢を抱くことの大切さを説いた。「ここで一つ、思い出したことを言いたい。昨年(Jリーグアウォーズの)会場に着いたとき偶然、名古屋グランパスのバスが到着したのを見ました。そこで私の通訳に話をしました。『見ろ、これがチャンピオンチームだ。勝者だ。来年は俺たちがこういうシチュエーションで、こういう登場の仕方をしよう』と。ですからみなさん、自分の夢を見ることは大切です。夢を信じて努力すれば、必ず叶えることができると思います」。
まさに“有言実行”だった。指揮官自ら1年後に大きな夢を叶えてみせた。知将・名将と言われ、その戦略や人心掌握術に注目が集まっているが、夢を叶えるという強い気持ち、自らを信じ続ける強さ。そんな少年のような心が根底にあったからこそ、短期間での再建に成功したのだろう。夢を信じる強い気持ち-。それは人生においても大切なこと。名将は、日本にとってまさに激動の1年だった2011年の締めくくりに、大きな言葉を残してくれた。
▼各賞の一覧はコチラ
(取材・文 近藤安弘)