[12.18 全日本大学選手権1回戦 鹿屋体育大2-2(PK4-2)新潟経営大 古河]　

　冬の大学日本一を決める平成23年度第60回全日本大学サッカー選手権大会が18日に開幕し、茨城県・古河サッカー場で行われた1回戦第1試合では、鹿屋体育大(九州1)が2-2からのPK戦の末に新潟経営大(北信越)を下して準々決勝へ駒を進めた。

　粘る相手に苦しんだ末の勝利だった。鹿屋体大は序盤、サイドアタックで攻撃のリズムに乗った。特にMF小谷健悟(1年=神村学園高)、DF山崎侑輝(3年=F東京U-18)が連係する左サイドで再三にわたってチャンスメーク。クロスボールをゴール前に供給し、ファーへ抜ければ逆サイドMF木村俊喜(4年=神村学園高)が折り返して波状攻撃を繰り広げた。12分には小谷のゴールで先制した。守備ライン裏へのハイボールがバウンドし、相手GKがヘディングでクリアした球を拾った小谷がコントロールの利いた山なりのシュートで無人のゴールに送り込んだ。しかし、丁寧にパスをつなぐ新潟経大に少しずつ試合のペースを奪い取られて苦戦。前半終了間際、新潟経大は相手のクリアミスをカットしたFW田中剛(4年=柳ヶ浦高)が倒れ込みながらもシュートをたたき込んで同点に追いついた。

　後半は追い付かれた鹿屋体大が攻めに出たことで互角の展開。9分に鹿屋体大は小谷の右からのパスを木村が折り返し、ゴール前で相手を振り切ったFW野林涼(4年=鹿島ユース)がヘディングで押し込んで再びリードを奪った。それでも一度失った試合のペースを完全に取り戻すには至らなかった。新潟経大は後半から右にポジションを移したサイドアタッカーの横島翔太(3年=修徳高)と攻撃的な左DF木村晋作(3年=正智深谷高)のドリブルをきっかけに猛攻を仕掛け、次々に相手のファウルを誘った。終了間際の41分にはついにPK獲得に成功し、途中出場の金尚佑(4年=徳島)が決めて再び同点に追いつく執念を見せた。

　鹿屋体大は延長戦に入ると1週間前に腰を痛めたため温存していた鳥栖入団内定のエース岡田翔平(4年=F東京U-18)をたまらずに投入したが、結局どちらもゴールを割ることができず、決着はPK戦に委ねられた。鹿屋体大はスムーズにキックを成功させたが、新潟経大は2人がゴールの枠を外し、PK戦4-2で鹿屋体大の2回戦進出が決まった。

　追加点でリードを広げられず最後まで苦しんだ鹿屋体大の井上尚武総監督は「岡田がいなくて相手の裏に走れず、決定力もなかった。守備でもボランチが前に出過ぎたり、サイドは相手のくさびに対して絞り切れなかったりと課題が出た。でも初戦はこんなもの。ベスト8からはどことやっても紙一重。しっかり修正して次に臨みたい」と次戦に向けたチームのペースアップを誓い、会場を後にした。鹿屋体大は準々決勝で前回準優勝の中京大(東海1)と対戦する。

(取材・文　平野貴也)

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