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[選手権]鹿島学園は悔しい敗戦。別々進路の西谷ツインズ「今後はライバルになる」「日本代表で一緒に」

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[1.2 全国高校選手権2回戦 鹿島学園1-2國學院久我山 柏の葉]

 被災者を勇気づけるためにも、勝ち続けることを目標にしていた鹿島学園(茨城)だったが、残念ながら國學院久我山に1-2の逆転負けし2回戦敗退となった。前半26分に相手GKのミスからDF門倉純一(3年)が先制弾を決めたが、相手の攻撃力に苦しみ、押される展開が続いた。後半10分に逆転されても最後まで諦めずに必死に戦ったが、悔し結果に終わった。

「相手のほうが上手かったですね。自分たちもボールを回したかったけど出来なかった。守備とか運動量とか、自分の持ち味は出せたけど、勝てなくて悔しいです」

 ボランチのMF西谷優希(3年)は相手の技術の高さを認めた。FWで背番号「10」の双子の弟・西谷和希(3年)とともに『西谷ツインズ』として期待された2人。一緒に日本一になることを目標に中学・高校と同じチームで戦ってきたが、夢を実現させることは出来なかった。優希は持ち味の運動量を活かしてボールを奪い、前線の弟につなげようと必死だったが、ゴールを導くことはできなかった。それでも、チームの心臓部として奮闘したのは事実だ。

 弟の和希は、11月の茨城県決勝で右足第五中足骨を骨折。全治3か月で、今も完全には骨はついていなかったが、2-1勝利した初戦の日章学園(宮崎)戦に続き「監督と話をして、折れるか足がつるまで頑張る」と出場を直訴。痛み止めを飲んで先発出場した。医師からは時間を限定されているが、気迫のフル出場。シュートも3本放つなど怪我をしているとは思えないプレーを見せた。

「コンディションがもう少し良かったら……。でも、パスやドリブルとか、できたところはあった。集大成としては良かったかなと思う。ただ、自分はもっと上を目指しているので、個人で打開したかった。チームのために自分を削ってでもやりたかったけど、頑張りが足りなかったです」と和希は悔し涙を浮かべた。

 卒業後、兄弟は別々のチームでプレーすることが決まっている。優希は専修大、和希は流通経済大と、共に関東大学リーグ1部の学校へ進学する。優希は「今後はライバルとして戦うことになる。改めて双子の片割れがどれだけすごいのか確かめられる。すごく楽しみです」と口にした。弟の和希はU-18日本代表候補とあり、ガチンコ対決を心待ちにしている。

 和希は「最後の大会で一緒にプレーできてよかった。これから進路は違いますけど、最終目標は同じなので、また一緒にできたらと思います。プロになるのはもちろんですが、日本代表とかで一緒にプレーしたい」ともう一度、兄弟揃って一緒のチームで戦うという夢を明かした。高校サッカーで日本一になるという夢はこれで終わりとなるが、『西谷ツインズ』は新たな夢に向け、ひとまず別々の道で戦いをスタートさせる。

(写真提供『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 近藤安弘)

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