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[MOM547]市立船橋FW和泉竜司(3年)_10年総体得点王がチーム救う土壇場での2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 長崎日大1-2市立船橋 市原臨海]

 あわや番狂わせでの敗戦、良くても同点でPK戦に持ち込むのが精一杯かと思われた試合の終盤、大当たりの相手GKから2ゴールを奪った。驚異的な決定力に救われた市立船橋の朝岡隆蔵監督は「やっぱり、(強運を)持っている男は違うなと思いましたね」とエース和泉竜司(3年)の活躍を喜んだ。

 決定機を作っても決められない嫌な流れを、ただ一人無視した和泉が試合を決めた。0-1の後半36分、右から流れたボールをMF杉山丈一郎(3年)が頭で反らすと、和泉は落ち着いたコントロールから左足でシュート。「ゴール前では隅を意識して狙っている。杉山がうまく反らせてくれた。左足は利き足じゃないけど、力まずに打てる。練習通りだった」という一発は、ニアサイドのポスト際にきっちりと決まった。

 さらにアディショナルタイム、左サイドからのFKを頭で競ると、杉山が競ったセカンドボールのこぼれ球が和泉の前に転がった。すると、今度は得意の右足でスピードのあるシュートをファーサイドへ突き刺した。慌てたプレーが多くなる終盤でもブレないシュート技術が光った。

 市立船橋は、勝ち上がった場合に連戦となる日程を考慮し、ストライカーのFW岩渕諒(3年)らをベンチに温存。指揮官は「(負傷明けの)岩渕は使おうと思えば使える状態。ただ、先のことも考えて『ほかのメンバーでもどうにかして来い』という部分もあった」と先発メンバー変更の理由を話したが、それでも代役のいないエースだけは、しっかりと前線に置いていた。その理由が観衆にも分かるほど、存在感を示した2ゴールだった。


[写真]
市船のエース和泉は2発で勝利もたらす
(写真『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 平野貴也)

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