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[大学選手権]明治大は零封負けも、宮阪主将「最後まで諦めずに自分たちのサッカーはできた」

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[1.5 全日本大学選手権・決勝 専修大3-0明治大 国立]

 2年ぶり3度目の日本一をめざした明治大だったが、決勝戦で専修大に0-3で敗れた。超攻撃的な専修大を抑えることはできずに3失点。数字上では完敗に見えるものの得点差ほど、実力に差はなく、明治大は攻守に渡ってらしさをみせ、好ゲームを展開した。

 それでも敗戦は悔しい結果。神川明彦監督は「超攻撃的な専修大をどれだけ守れるか。いかに少ないチャンスをものにするかだった。前半を0-0で折り返したのはプラン通りだった。その後のチャンスを生かせれば……」と唇を噛んだ。MF宮阪政樹(4年=F東京U-18)主将は「前半は自分たちの考えていた通りだったが、1点を取られたあと、点を取れなかったのが厳しかった」と話しながらも「結果をみれば0-3だったが最後まで諦めずに自分たちのサッカーはできた」と振り返った。

 何よりも、警戒していた先制点を奪われたことでゲームプランが崩れた。来季川崎F入り内定のGK高木駿(4年=東京Vユース)は失点シーンを思い出し、悔しい表情。「もっとあのシュートスピードでも止められるようにならないといけない。プロになったら、さらにシュートの速度は上がってくるし、今後はその辺に対応できるようにならないといけないと思う」と話していた。

 また、来季のFC東京入りが内定しているU-22日本代表DF丸山祐市(4年=國學院久我山)は、1月1日に行われた天皇杯をスタンド観戦。F東京が国立で優勝するのを目の当たりにし、「いいイメージを持った。自分も優勝したいと強く思った」という。しかしチームは敗戦。今後はすぐにU-22代表キャンプ、F東京の始動となり、多忙な年明けとなるが「オフも必要かもしれないが、サッカー選手としてはサッカーをやってられるのはいいこと」と"過密スケジュール"を前向きに受け止めた。

 今季の明治大は大きく波がある1年だった。開幕当初は3戦勝ちなし(1分2敗)。指揮官と選手が衝突する時期もあった。総理大臣杯では準決勝でPK戦の末に敗戦。「4年生がだらしなかった」と指揮官から雷が落ちた。その後、ユニバーシアードの影響で宮阪、丸山、高木らがチームを離れる時期が続いた。それでも、そんな時に4年生のMF田中恵太(4年=三菱養和SCユース)が「僕自身がやらないといけないと思って、意識を高くやった」とチームを統率。4年生だけでのミーティングを重ね、次第にチームはまとまりを増していった。宮阪は決勝まで来れた理由について「自分たちがいないときも他の4年生がまとめてくれた。話し合いやミーティングをしたり、ひとつひとつの積み重ねがなかったら、ここまで来れなかったと思う」と話した。最終的に準優勝で大会を終えたが、リーグ3戦勝なしから始まったシーズン。明治大は1年間でチームとして、大きく成長してみせた。

(取材・文 片岡涼)
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