beacon

[選手権]鈴木武蔵はシュート1本で不発…桐生一はアクシデントの連続で8強敗退

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.5 全国高校選手権準々決勝 桐生一1-3尚志 埼玉]

 初出場でベスト8まで勝ち上がってきた桐生一(群馬)だったが、国立の夢は叶わず、準々決勝で姿を消した。アクシデントの連続だった。試合当日、守備の中心であるDF渋沢真矢(3年)が下痢と吐き気を訴え、急きょ欠場。本来はボランチのMF古沢圭希(3年)をCBに下げて対応したが、「中盤でプレスがかからず、相手の攻撃を止め切れなかった」(小林勉総監督)と前半17分、31分と連続失点。前半35分にDF川田勝也(2年)を投入し、古沢圭をボランチに戻したが、今度は左SBの古沢友希(3年)が負傷し、ハーフタイムでの交代を余儀なくされた。

「いいムードになりかけたところで選手層の薄さが出た。1、2戦と同じ状態だったら五分に戦えると思って乗り込んだが、いい状態で戦えないんだなとつくづく思った」。不完全燃焼の8強敗退に小林総監督は悔やんでも悔やみ切れない表情だった。

 今大会4得点のFW鈴木武蔵(3年=アルビレックス新潟入団内定)も不発に終わった。持ち前のスピードを生かすスペースが消され、常に窮屈なプレーを強いられた。強引な突破も人数をかけたディフェンスにつぶされ、シュートはミドルシュートの1本のみ。「一番上まで行きたかった。自分たちの力不足」。そう唇をかんだエースに小林総監督は「今日みたいにスペースを消された中で、周りを使って動き出すという部分が足りなかった」と指摘。「JリーグのDFを相手に強引に行くのは無理。ワイドに流れながらゴールに向かったり、プレーの幅を広げてほしい」と、プロの世界に羽ばたく愛弟子のさらなる飛躍に期待していた。

「この大会を通じて、まだまだだと感じた。これを励みに、プロに行ってもがんばりたい」。2回戦でのハットトリックなど強烈なインパクトを残した一方、粗削りな部分ものぞかせた鈴木武蔵。秘めたポテンシャルをプロの世界で開花させ、日本を代表するストライカーへ成長していく。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2011

TOP