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[選手権]4戦17発の大分攻撃陣にも「恐怖心はなかった」市立船橋GK積田が好守連発

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[1.7 全国高校選手権準決勝 大分1-2市立船橋 国立]

 最後のところでゴールにカギをかけた。市立船橋(千葉)のGK積田景介(3年)が、4戦17得点と爆発的な攻撃力を誇る大分(大分)をセットプレーによる1失点に食い止めた。

 前半31分、大分FW小松立青(3年)が直接FKを狙うと、壁に当たったこぼれ球を再び小松がミドルシュート。ゴール左隅を捉えたボールに積田が鋭い反応で飛びつき、CKに逃れる。2-0の後半35分にもDF小出悠太(2年)のミスから決定的なピンチを招いたが、小松との1対1を体を張ってセーブ。直後にFKから1点を返されたものの、シンプルにロングボールを放り込み、スピードのある3トップを走らせる大分の攻撃に冷静に対処し、2-1で逃げ切った。

 執拗なまでにDFラインとGKの間に縦パスを入れてくる大分に対し、前に出るか、ステイするかの難しい判断を迫られるシーンが続き、精神的にもすり減る試合展開だった。それでも「出る、出ないのところは一瞬の判断で難しいけど、今までの経験が生きて、自信を持って判断できた」と強調。「放り込んでくるのは分かっていたし、予測して、いい準備ができていた。恐怖心はあまりなかった」と胸を張った。

 大会初戦となった2回戦の長崎日大戦(2-1)。前半1分、自陣ゴール前で高く上がったルーズボールにDFとGKが見合ってしまい、先制点を決められた。チームは残り5分からの逆転劇で辛くも初戦を突破。「どこがいけなかったのか守備陣で話し合って、修正できたのが大きい」とミスを反省し、次に生かせたことが清水商との3回戦(3-0)、矢板中央との準々決勝(2-0)の連続完封につながった。

 攻撃重視のチームが目立った今大会。堅実な守備と安定した試合運びで決勝まで駒を進めた市立船橋を最後尾で支える積田は「大分は得点力のあるチームだと聞いていたし、そこをしっかり抑えられれば、次も自信を持ってやれると思っていた。失点はしたけど、流れの中で抑えられたのはよかった」と手応えを深める。

 2年時の全国高校総体では守護神として2年ぶり7度目の優勝を果たした積田だが、選手権では控えに回り、チームも千葉県大会決勝で流通経済大柏に0-1で敗れ、全国への切符を逃した。涙から1年。四日市中央工(三重)との決勝でも強力2トップを封じ、9大会ぶり5度目の頂点へ駆け上がる。

(取材・文 西山紘平)

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