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シリアとの天王山に敗れる…U-23代表は最終予選初黒星でC組2位に転落

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[2.5 五輪アジア最終予選 シリア2-1日本 アンマン]

 関塚ジャパン、最終予選初黒星で2位転落……。ロンドン五輪アジア最終予選は5日、第4戦を行い、U-23日本代表はヨルダンのアンマンでU-23シリア代表と対戦した。3連勝で首位に立つ日本と、2勝1敗の2位シリアが激突した天王山。先制を許した日本は前半ロスタイムにFW永井謙佑(名古屋)のゴールで追いついたが、後半45分に決勝点を許し、1-2で敗れた。
 両チームは3勝1敗の勝ち点9、得失点差+4で並んだが、総得点(日本7、シリア8)で上回ったシリアがC組首位に浮上し、日本は2位に後退した。次戦は22日、アウェーでのマレーシア戦。残り2戦、1位突破のためには得失点差、総得点も重要な意味を持ってきそうだ。

 日本は昨年11月27日にホームで行われたシリア戦(2-1)から先発3人が変わった。4-2-3-1の1トップではFW大迫勇也に代わって永井が最終予選初先発。欧州組のMF大津祐樹が招集できなかったため、MF山崎亮平が左サイドに入り、左第5中足骨骨折から復帰したキャプテンのMF山村和也が昨年9月21日の最終予選第1戦・マレーシア戦(2-0)以来の先発出場を果たした。
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 高い位置からプレッシャーをかけてくるシリアに対し、日本は立ち上がりからリズムをつかめなかった。劣悪なピッチコンディションもあり、中盤でボールがつながらない。前半5分にはロングボールから守備陣が処理にもたつき、FWマルドキアンがDF鈴木大輔ともつれるように転倒。PKかとヒヤリとさせられたが、主審はマルドキアンのシミュレーションを取った。

 日本は前半7分、右サイドからMF東慶悟がスローイン。2列目から飛び出した山村がボールを受け、マイナスに折り返すと、MF山田直輝が右足でシュートを狙ったが、枠を捉え切れなかった。

 なかなか流れをつかめない日本にさらなるアクシデントが襲う。前半16分、山崎が競り合いの着地の際にバランスを崩し、左腕をピッチに突いてしまい、左ひじを負傷。担架で運び出され、大迫との交代を余儀なくされた。

 すると大迫投入直後の前半18分、シリアは右45度の位置でFKを獲得。MFファレスが左足でクロスボールを上げると、代わって入ったばかりの大迫の頭をかすめてゴールマウスへ。GK権田修一がキャッチしようとしたが、ボールは手元からこぼれ、ゴールラインを越えてしまった。

 警戒していたセットプレーから先制点を決められ、何とか反撃に出たい日本だが、その後も攻めあぐねる時間が続く。逆にシリアは前半39分、マルドキアンがPA内で仕掛けると、山村をかわしてゴール前に折り返し、FWアルスマがオーバーヘッドキック。決定的な形だったが、シュートはGK権田が体を張って抑えた。

 日本は前半41分、永井の左クロスを山村が頭で折り返し、大迫がトラップから右足でシュート。DFのブロックに阻まれたが、ようやく決定機をつくった。

 そして前半終了間際のロスタイム、鈴木のロングフィードから大迫が体の強さを見せ、ボールキープ。素早く最終ラインの背後にスルーパスを通すと、スピードを生かしてスペースに抜け出した永井が右足ワンタッチでゴール左隅に流し込んだ。大迫の投入後、2列目の左サイドにポジションを移していた永井の最終予選初ゴールが値千金の同点弾。1-1と試合を振り出しに戻した。

 後半に入って徐々に運動量の落ち始めたシリアのプレッシャーをかわし、チャンスをうかがう日本だが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。後半25分、東の左CKから鈴木がヘディングシュート。しかし、これも枠を捉え切れなかった。

 後半30分、山村に代えてMF扇原貴宏を投入すると、扇原がボランチの位置でパスをさばき、リズムをつかんでいく。しかし、後半35分の大迫のシュートはGKが好セーブ。同38分、ドリブルで持ち込んだ永井のミドルシュートもゴール上に外れた。

 1-1のまま終盤に入ると、勝ち点3を狙うシリアが攻勢を強め、日本を押し込む。すると後半45分、バイタルエリアでクロスボールのこぼれ球を拾ったDFアルサリフがPA外から右足を一閃。ドライブ回転のかかったミドルシュートはGK権田が伸ばした腕の上を越え、豪快にゴールネットを揺らした。

 終盤の失点で1-2とリードを許した日本はDF濱田水輝を前線に上げるパワープレーで同点ゴールを目指すが、したたかに時間を稼ぐシリアに対し、チャンスもつくれない。試合はそのまま1-2で終了。最終予選初黒星、2位転落という結果に関塚隆監督は「非常に残念です」と厳しい表情を見せながらも「次へ気持ち的にも立ち向かっていくことが大事。まだ戦いは続く。しっかりと戦っていきたい」と必死に前を見据えていた。

[写真]最終予選初黒星にうなだれるFW永井謙佑


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