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[高校選抜選考合宿]熾烈なメンバー争い、日本一市船の和泉、得点王の四中工FW浅野らがゴールでアピール!

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 第90回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に結成される日本高校選抜メンバーの選考合宿が11日から静岡県内で開催されている。合宿では初日からメンバー入りを懸けた激しいアピール合戦が繰り広げられているが、12日の合宿2日目午後には25分1本と20分2本の紅白戦を実施。高校選手権優勝校の市立船橋の主将、FW和泉竜司(3年)や同大会得点王のFW浅野拓磨(2年)が2得点を挙げるなど猛アピールした(選考合宿メンバー一覧)。

 昨年の日本高校選抜メンバーでもあるFW白崎凌兵(山梨学院3年)が、清水エスパルスでのハードなキャンプが続いていることがあってかチーム事情によって出場を見送り、左ひざ痛の注目FW鈴木武蔵(桐生一3年)もこの日昼過ぎに所属するアルビレックス新潟へ戻った。エース候補たちが不在の中で迎えた紅白戦だったが、球際の激しさがあり、それぞれが良さを出そうとスピード感溢れるプレー。指揮を執る山下正人監督(駒場高)も「お互いが声を掛け合ってやっている」と評価していたように和泉やDF久保飛翔(済美3年)らが中心となって声で周囲を動かす。またCB新井一耀(清水商3年)やDF山越康平(矢板中央3年)の力強いインターセプト、また和泉や浅野、FW宮市剛(中京大中京1年)が見せる縦への鋭さは選考争いするをライバルたちやスタッフからも「オォー」という驚きの声が挙がっていた。

 1本目(布陣はコチラ)はビブス黄が和泉と浅野の2トップで市立西宮からセレッソ大阪への加入が発表されたMF後藤寛太(3年)はビブス赤の左MFに入った。試合を動かしたのは関係者たちが好調ぶりを認めていたビブス黄の四日市中央工MF寺尾俊祐(3年)。右サイドで中央からのパスを受けるとゴール左隅へ右足シュートをねじ込む。さらに9分には敵陣でインターセプトした和泉がドリブルで左サイドへ流れながら左足を一閃。高校選手権決勝で劇的な2得点を挙げているストライカーの豪快な一撃が、ゴールへと突き刺さった。2点ビハインドの赤は10分にMF渡辺健斗(市立船橋2年)の右CKを久保が右足ダイレクトで合わせて1点差。だがこの後は後藤のドリブルシュートがゴール左へ外れ、渡辺の右クロスから左SB帷智行(市立西宮3年)の放った左足シュートもクロスバーを叩くなど追いつくことができず、逆に黄は25分、MF右高静真(國學院久我山3年)の右クロスから和泉が再び左足シュートを叩き込んで3-1で1本目を終えた。

 2本目(布陣はコチラ)は宮市とFW菊池将太(浦和東3年)の2トップでトップ下に和泉、MF國吉祐介(四日市中央工3年)をアンカー、左右のMFに寺尾と浅野を配置したビブス赤が怒涛の攻撃を展開する。まずは3分、宮市がスピードを活かして左中間を突進。そのパスを受けた寺尾が先制の左足シュートを流し込む。さらに5分には左サイドをえぐった浅野の折り返しを菊池が身体ごと押し込んで2-0。そして6分には宮市の力強いキープから和泉のスルーパスで抜け出した菊池が右足で決めて3点差とした。即席のディフェンス陣とあってDFたちにとってはハンディキャップがあったことは否めない、ただ迫力のある攻撃を見せた彼らは11分にも寺尾のアーリークロスでGKと1対1となった浅野が鮮やかなチップキックでGKの頭上を破って4点目。4-0で試合を終えた。

 1-1で引き分けた3本目(布陣はコチラ)には高校選手権で得点ランキング1位、2位を独占した四日市中央工の2年生2トップがゴール競演。21分にドリブルで切れ込んだFW田村翔太(2年)が左サイドの角度のない位置から技ありのゴールを決めると、直後にはDFを振り切った浅野が右足シュートをゴールへと流し込んで、ともに得点力の高さを発揮した。またMF山岸祐也(尚志3年)の決定的な右足シュートを市立船橋GK積田景介(市立船橋3年)がビッグセーブ。MF山田真史(奈良育英3年)がディフェンスラインの背後へ送った好パスを、飛び出してきたGK石川拓磨(旭川実3年)が相手FWと交錯しながらクリアするなどGKの奮闘も目立っていた。

 チームはあす13日に専修大とトレーニングマッチを行い、3日間の合宿を終了。日本高校選抜に選出された選手たちは3月3日に国立競技場で行われるFUJI XEROX SUPER CUP2012「NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜vs日本高校サッカー選抜」に出場し、3月末からは欧州遠征に臨む。山下監督はメンバー選考の基準について「まずサボらない子。判断の早い子。(欧州勢からパス回しを狙われるので)パスを早く正確に回せる子。そして勤勉になっていこうという姿勢がないといけない」とコメント。ピッチを離れると、かなり打ち解けていた選手たちだが、メンバー入りを懸けた激しいアピール合戦は合宿最終日のトレーニングマッチ終了まで続きそうだ。

[写真]高校選手権決勝で2発の市立船橋FW和泉は2得点でアピール
(取材・文 吉田太郎)

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