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史上2番目の年少デビューなるか、18歳久保が“飛び級”でA代表初選出

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 現役高校生が日本代表に初選出された。今季、京都U-18から京都サンガF.C.にトップ昇格したFW久保裕也(18)。今秋に開催されるAFC U-19選手権に出場するU-19日本代表のエースがU-23日本代表も飛び越えて、2段階の“飛び級”というサプライズ選出を果たした。

 昨季、2種登録ながらJ2で30試合に出場し、10得点を記録した久保は天皇杯でも準決勝、決勝といずれも途中出場ながら2戦連発ゴールを決め、一躍注目を集めた。鋭い動き出しと力強いドリブル突破に確かなテクニック、そして何よりも正確かつ決定力のあるフィニッシュ。オールラウンドなストライカーをアルベルト・ザッケローニ監督は「私はJ1を中心に見ていたので、スタッフが特に彼を見てくれていた。私も映像を通して見ていたし、若くて、高いクオリティーを持っていると聞いている。近代的なFWで、何でもこなせるタイプだと思う」と評した。

 18歳の久保、20歳のMF磯村亮太(名古屋)、19歳のMF柴崎岳(鹿島)。若手を積極的に初招集した指揮官は「リストを見てもらえば分かるが、3人のフレッシュな若い選手が入っている。彼らは将来性のある選手で、近くで見てみたい希望があった。期待しているというメッセージを若い選手全員に発信したい狙いがあった」と明かす。

 これまでもFW宇佐美貴史(バイエルン)、MF清武弘嗣(C大阪)、MF原口元気(浦和)ら若手を積極的に招集してきたザッケローニ監督。清武のようにすぐにチャンスをものにし、A代表でも即戦力となった例はあるが、基本的には代表合宿に参加させることで、彼らに刺激を与え、さらなる成長を促したい狙いがある。

「最大の目的は、近くで彼らを見ること。代表の雰囲気を感じさせ、将来に向けて期待していることを感じさせたい」。24日のアイスランド戦(長居)に向けては「ベンチには全員入るので、試合の流れに応じて、もしかしたら出るかもしれないが、呼んだ目的は最初に言ったとおりで、宇佐美を呼んだときと似たような感じ」と起用には消極的だったが、一方で「強化していきたいのは前めの選手。そこを重点的に見ていきたい」と話しており、MF本田圭佑(CSKAモスクワ)、MF香川真司(ドルトムント)、清武とアタッカー陣に故障者が続出する中、久保にもチャンスが訪れる可能性はある。

 久保がアイスランド戦に出場を果たせば、18歳62日でのA代表デビューとなり、98年4月1日の韓国戦に17歳322日で出場した当時・清水ユースのDF市川大祐(現・水戸)に次ぐ史上2番目の年少記録となる。「選出されたことを光栄に思います。試合に出場できるようにしっかりトレーニングからアピールして、頑張りたいと思います」。クラブを通じて決意を語った久保。合宿参加で終わるつもりはない。18歳のワンダーボーイが、ザックジャパンに殴り込みをかける。

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(取材・文 西山紘平)

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