beacon

遠藤の“相棒”はだれ?国際Aマッチ未経験の4選手がボランチ争い

このエントリーをはてなブックマークに追加
 “ゼロキャップ”のボランチ4選手にA代表デビューのチャンスがめぐってきそうだ。キリンチャレンジ杯・アイスランド戦(24日、長居)に向けて大阪合宿中の日本代表はMF阿部勇樹(浦和)が左ふくらはぎ痛で離脱。ボランチのレギュラー候補が不在となり、この日の練習では国際Aマッチ未経験の3選手がボランチでしのぎを削った。

 A代表初選出のMF柴崎岳(鹿島)とMF磯村亮太(名古屋)、そして昨年10月11日のW杯アジア3次予選・タジキスタン戦(1-0、長居)以来の代表復帰となったMF増田誓志(鹿島)。磯村は絶対的レギュラーのMF遠藤保仁(G大阪)とダブルボランチを組み、もう1チームのボランチは柴崎、増田という鹿島コンビだった。

 アイスランド戦でも遠藤の先発は確実だが、問題はその“相棒”だ。この日、MF谷口博之(横浜FM)の追加招集が発表されたが、谷口もザックジャパン初選出で、A代表で出場経験はない。練習でトップ下に入ったMF中村憲剛(川崎F)、MF柏木陽介(浦和)のどちらかをボランチに落とす可能性もあるが、谷口を含めた代表キャップゼロ4選手の中のだれかがいきなり先発デビューを果たしてもおかしくはない。

 一歩リードしているのは増田か。柴崎、磯村、谷口がザックジャパン初招集なのに対し、増田は昨年8月に札幌で行われた候補合宿で初招集。9月6日のW杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦(1-1、タシケント)でも負傷離脱した中村に代わって追加招集され、10月7日のベトナム戦(1-0、ホームズ)、同11日のタジキスタン戦を含めて3試合にベンチ入りしている。出場機会こそなかったものの、ザッケローニ監督の戦術理解度という点では他の3人を上回っている。

「まだ他の人との連係だったり、生かし方という点では、鹿島の選手のようには理解していない。自分も迷うところがあるし、スムーズにはいかないけど、少しずつ分かってきている」。2日目の練習を終えた増田は徐々に手応えもつかんでいる様子。今合宿は「よく見ることを意識してやっている」と、周囲の選手、監督の意図を理解しようと努めている。

「鹿島と完全に違うのは縦に速いということ。横、横というのが考えの中にない。横に入れたら縦を考えないといけない。それに合わせて周りも動き出すし、タメをつくることは少ない」。所属クラブとは異なる戦術の中で、いかに自分の良さを出していくか。アイスランド戦でそれができれば、代表定着もグッと近づいてくる。

(取材・文 西山紘平)

TOP