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A代表初選出で存在感見せる19歳柴崎、「アピールしないといけない」

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 緊張を隠せない若手選手たちの中、一人飄々とプレーしている。A代表初選出となった19歳のMF柴崎岳(鹿島)は練習でボランチの位置に入り、持ち味の正確な長短のパスを随所に披露。代表合宿初参加とは思えない落ち着きぶりで、その能力の高さをいかんなく発揮している。

 合宿3日目となった22日の練習後にはアルベルト・ザッケローニ監督から名指しで呼ばれ、MF増田誓志(鹿島)とともに直接指導を受けた。MF阿部勇樹(浦和)が離脱し、手薄なボランチのポジション。24日のアイスランド戦(長居)で先発デビューの可能性が高まる増田と並び、指揮官の言葉に耳を傾けた。

「縦に早くつけることを結構求められる。鹿島では横のパスもまじえながらだけど、ここだとなるべく早く(前に)つけて供給するのを求められる」。鹿島との違いを口にしながらも「それができれば選手として幅が出るし、選択肢も広がる。特に代表だからこうするとかではなくて、どっちにも通じるものはあると思う」と前向きに取り組んでいる。

「ボランチが前を見たら(周りが)動き出す約束事がある。僕のところで前を向いたら、周りは動き出す準備をするし、僕のところで前を向くことが大切。SBや僕らが攻撃のスイッチを入れる場所。そこから前に早くつけることができれば、いい攻撃にもつながると思う」

 早くも戦術理解度の高さを見せる柴崎は、チームの心臓部とも言えるボランチとしての役割にも臆することはない。むしろ1本の正確なロングパスで局面を打開するのは柴崎の真骨頂。指揮官があえて増田と柴崎の2人だけを呼び寄せて指導したのも期待の表れだろう。

「呼ばれて来ているからには、一番間近で見られているし、アピールもしないといけない。同時に一緒にやっている選手から学ぶこともある。そういう経験を大事にしていきたい」

 将来性に期待して招集したザッケローニ監督だが、合宿でのプレーぶりを見れば、その考えを翻して起用に踏み切ってもおかしくはない。アイスランド戦でのA代表デビュー、そして代表定着へ、19歳の挑戦は続いている。

[写真]全体練習後、MF増田誓志とともにザッケローニ監督の指導を受けるMF柴崎岳

(取材・文 西山紘平)

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