beacon

[MOM177]関東選抜AFW瀬沼優司(筑波大3年)_“大器”、決意の12年でまず2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.26 関東大学オープニングフェスティバル 関東選抜A3-1専修大 西が丘]

 “大器”が決意の12年シーズンでまず2発を決めた。関東大学選抜AのFW瀬沼優司(筑波大3年)は桐光学園高時代の08年にFW大迫勇也(現鹿島、当時鹿児島城西高)とともに1学年上の世代のU-19日本代表候補合宿に選出された経歴を持つ184cmの大型ストライカー。タッチライン際からでもシュートを撃ち込むシュートエリアの広さと力強い突進、ポストプレーでも相手を脅威を与えることのできる存在だ。

 そのFWは1-0の後半21分、関東選抜Aが見せた右サイドからの鮮やかなパスワークをフィニッシャーとして左足でゴールへと押し込むと、試合終了間際の44分には左サイドを突破したMF原田開(順天堂大2年=磐田ユース、前・湘南)のラストパスを右足でゴールへと押し込んで2得点を挙げた。また局面では非常に安定したキープで専大にボールを触らせず、自らドリブルでボールを運ぶなど存在感を放った。
 
 昨年は全日本大学選抜としてユニバーシアードに出場し、金メダルを獲得。またチームでは1年から出場機会を得ているが、期待が大きいだけにそれに応えてきたとは言いがたい。大一番で貴重なゴールを決める一方で、簡単なシュートをGKに当ててしまうなど、得点を量産することができなかった。結果を残せず、不甲斐なさから試合後に悔し涙を流したことは何度もある。非常に真面目な性格のため、一度悩んでしまうとなかなかスランプから抜け出すことができなかった。

 ただ大学4年の今季は全てを振り払って練習に集中することだけを考えている。「最後の1年はサッカーだけにかけてやり切ろうと思って練習してきた。4年間順風満帆に上がってきた訳ではなかった。ボールが全く足につかなかったり、ダメな時期もあった。そういう中でもやり続けるしかなかった。そこであきらめてしまうか、やり続けるかがプロにいけるかどうかを分けると思う。成功できるか成功できないかの境目にもなると思う。だから覚悟を決めていきたいです。きょうのゴールはその成果が出てきているだけだと思います」。

 もちろん所属する筑波大が勝利することが第一目標。だが、チームについてのことを考える余裕がないほど必死だ。「新シーズンに入ってから自分のことしか考えないでサッカーをしてきた。チームがどうこうとはあまり考えていない。自分がボールを奪うということと、ボールを取られないということ、そして点を取ることを最初の目標に書いて、それにこだわって練習に取り組んできた」。後がない思いでサッカーだけに集中して取り組んでいる12年。J注目の“大器”は前線で見せる献身的な守備と、ゴール、そしてチームの勝利で結果を示す。

(取材・文 吉田太郎)

TOP