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決勝PK獲得の北嶋、「あれはファウルだと思う。鞭打ちになった」

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[3.3 富士ゼロックススーパー杯 柏2-1F東京 国立]

「あれはファウルだと思う。鞭打ちになった。何もないところで後ろから衝突されて。痛かった」。柏レイソルにタイトルをもたらす決勝点となったPKを獲得したFW北嶋秀朗は首の後ろを抑えるようにして表情をゆがめた。

 1-0とリードを奪って迎えた前半42分。MFレアンドロ・ドミンゲスのFKにMFジョルジ・ワグネルが頭で合わせると、シュートは右ポストに弾かれたが、こぼれ球に競ろうとした北嶋が後方からDF森重真人に当たられ、西村雄一主審の笛が鳴る。このプレーで獲得したPKをレアンドロが決め、2-0と突き放した。

 シュート数は90分を通して11本と、内容的には決してよくなかった。前半の立ち上がり、2-0で折り返した後半立ち上がりも守勢に回る時間が長かった。それでも少ないチャンスを得点につなげ、後半、1点差に追い上げられても粘り切る勝負強さはJ1王者の貫録だ。

「サッカーにはよくない時間帯もある。そこをどう耐えるか。全員が意識を共有して、同じ振る舞いで耐えることができた」。そう胸を張る北嶋は「こうやって結果を出していくことでチーム力が上がるのは去年から分かっている。勝っていくことが大切なのでよかった」と力を込めた。

 2月26日のちばぎんカップで千葉に1-0で競り勝ったのに続き、2012年シーズン一つ目のタイトルを獲得。「タイトルを取ることにレイソルが慣れていくためにも、このタイトルは必要だった」。ただの“勝ち癖”以上に、タイトルがかかった試合で勝ち切る強さは、実際にプレッシャーのかかるゲームを経験することでしか身につけることはできない。過密日程の続く今シーズン。常勝軍団への階段を上ろうとする柏が、まずは第一関門を突破した。

(取材・文 西山紘平)

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