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柏がみたびリードも横浜FMが3度追いつき勝ち点1を分け合う

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[3.11 J1第1節 柏3-3横浜FM 柏]

 J1第1節は11日、残り1試合を行い、昨季王者の柏レイソルがホームで横浜F・マリノスと対戦し、3-3で引き分けた。タイで行われた7日のACLブリーラム戦(2-3)から中3日でJ1開幕戦を迎えた柏は前半3分、U-23日本代表DF酒井宏樹が先制点。同7分にFW大黒将志のゴールで追いつかれたが、同12分にFW田中順也が勝ち越しゴールを決めた。粘る横浜FMも後半15分にU-23日本代表MF齋藤学のJ1初ゴールで2-2としたが、柏は同19分に昨季JリーグMVPのMFレアンドロ・ドミンゲスが圧巻のミドルシュートを叩き込み、3-2。このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム、横浜FMは途中出場のMF谷口博之が劇的な同点ゴールを叩き込み、引き分けに持ち込んだ。

 柏は3日の富士ゼロックススーパー杯・F東京戦(2-1)、7日のブリーラム戦から先発一人を変更。FW北嶋秀朗に代わってFWリカルド・ロボが移籍後公式戦初先発を飾った。
 横浜FMは4-4-2のシステムで、中盤の左サイドに愛媛から復帰の齋藤が入った。それ以外は昨季からのメンバーで、ダブルボランチはMF兵藤慎剛とMF小椋祥平。2トップはFW小野裕二と大黒の組み合わせだった。
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 試合は立ち上がりから激しく動いた。開始早々の前半3分、PA手前で柏がFKのチャンスをつかむと、レアンドロがゴール前に上げたクロスをMFジョルジ・ワグネルがオーバーヘッドキック。これが絶妙なアシストとなり、ゴール正面で酒井が右足で押し込んだ。

 いきなり先制された横浜FMもお返しとばかりにセットプレーから同点に追いつく。失点から4分後の前半7分、MF中村俊輔の左CKをDF栗原勇蔵が頭で落とすと、大黒が体を投げ出して右足アウトサイドでボールを捉え、ゴールに流し込んだ。

 あっという間に試合を振り出しに戻された柏だが、すぐさま再び勝ち越しに成功する。前半12分、中央で仕掛けたレアンドロからジョルジにつなぎ、前線の田中へスルーパス。田中はワントラップから利き足とは反対の右足を振り抜き、ゴール左隅にねじ込んだ。

 その後も両チームがチャンスをつくる激しい展開となる。横浜FMは前半19分、中村がゴールまで約30mの位置から直接FKを狙うと、GK菅野孝憲は強烈なシュートを一度は前にこぼしながらも何とか抑える。柏は同21分、レアンドロのスルーパスに抜け出した田中が左足でフィニッシュ。これも決定的な場面だったが、シュートは枠を外れた。

 試合はこう着状態に入り、一進一退の攻防が続くが、互いになかなかシュートまで持ち込めない。柏がポゼッションでは上回るが、横浜FMも速い攻撃でチャンスをうかがう。柏は前半45分、レアンドロの右クロスのこぼれ球をジョルジが左足で狙うと、シュートはGKの横を抜けたが、カバーに入った栗原が何とかクリアし、柏の1点リードのまま前半を折り返した。

 前半と打って変わって静かな立ち上がりとなった後半。柏は後半14分にジョルジの浮き球のパスをロボが頭で落とし、田中が左足ミドルを狙うが、これはゴール上に外れる。すると同15分、横浜FMは小椋からパスを受けた齋藤が右サイドからドリブルで中に切れ込み、PA手前から左足を振り抜く。これが鮮やかにゴール左隅に吸い込まれ、齋藤のJ1初ゴールで2-2の同点に追いついた。

 しかし、横浜FMの喜びも束の間だった。柏は4分後の後半19分、カウンターから酒井が右サイドを持ち上がり、中央でフリーのレアンドロへ。レアンドロはプレッシャーがない隙を見逃さず、PA外から右足でミドルシュート。アウトサイドにかけたシュートがゴールネットに突き刺さり、3-2とみたび勝ち越しに成功した。

 勢い付く柏は後半25分にも決定機を迎える。レアンドロが右サイドに展開し、酒井の折り返しを再びレアンドロがフリーで受けると、PA内から余裕を持って右足で狙ったが、GKの好守に阻まれた。

 横浜FMは後半34分、途中出場のFW松本怜がPA内で仕掛け、ボールを浮かしてDF近藤直也をかわして右足でゴールネットを揺らすが、ハイキックのファウルを取られ、ゴールは認められない。同37分にはDF金井貢史に代えて谷口を投入。同38分にも松本怜が右サイドから仕掛け、折り返しに大黒が頭で合わせるが、クロスバーを叩いて真下に落下。大黒はボールがゴールラインを越えていたとアピールするが、得点は認められなかった。

 それでも横浜FMは最後まであきらめない。ロスタイム4分と表示された後半46分、右サイドのスローインからDF小林祐三が松本怜に当て、戻したボールを小林が右クロス。これに谷口が打点の高いヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らした。土壇場で横浜FMが同点に追いつき、試合はそのまま3-3で終了。激しい点の取り合いの末、勝ち点1を分け合った。

(取材・文 西山紘平)

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