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愛媛帰りの横浜FM・齋藤がJ1初ゴール、「感触的にもいいゴール」

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[3.11 J1第1節 柏3-3横浜FM 柏]

 待望のJ1初ゴールで五輪アジア最終予選に弾みを付けた。横浜F・マリノスのU-23日本代表MF齋藤学が1-2の後半15分に同点ゴール。レンタル移籍していた愛媛から2シーズンぶりに戻ってきた古巣での開幕戦で、成長した姿をサポーターに見せつけた。

 4-4-2の左MFで先発した齋藤は後半に入ると、MF中村俊輔と頻繁にポジションチェンジ。「ポジションに縛られず、俊さん(中村)を見ながら、俊さんとかぶらないように意識していた」。得点シーンも右サイドに回っていた時間帯。MF小椋祥平からパスを受けると、ドリブルで中に切れ込み、DFの密集地帯から左足を振り抜いた。

 利き足とは反対の左足から放たれたシュートは鮮やかにゴール左隅に突き刺さる。「感触的にもいいゴールだった。スペースはなかったけど、コースが空いていたので。それまでシュートを打ってなかったから、『ここで1本打っとこう』という感じで打った」。この日、齋藤が放ったシュートはこの1本だけ。それがゴールにつながった。

「得意なコース? 全然得意じゃないです。むしろ逆の方がいい。左からカットインして打つのは去年も3、4点取っていた。今日はそれを出せなかったけど、思い切って蹴ったのがよかった」

 08年に2種登録ながら横浜FMでトップチームデビューを果たした齋藤は10年までに23試合に出場したが、得点はゼロ。ナビスコ杯では1得点を記録していたものの、J1ではゴールに縁がなかった。昨季はJ2の愛媛に期限付き移籍。レギュラーとして活躍し、36試合で14得点を量産。そこでのプレーが評価され、U-22日本代表にも選ばれ、今季は古巣へ戻ってきた。

「J2でどこが成長したのかは分からない。ただ、気持ち的に強くなった。自分を出さないといけないし、J2では自分から攻撃が始まるという意識でやっていた。今日もそうだった」。実戦でもまれ、経験を重ね、自信を付けた。伸び盛りの21歳の“復帰”を中村も「チームにとっていいピースというか、一つひとつ引き出しが増えている」と歓迎していた。

 激しい打ち合いの末、昨季のJ1王者相手にアウェーで勝ち点1をつかみ、明日12日からはU-23日本代表に合流する。引き分け以上でロンドン五輪出場が決まる14日のバーレーン戦(国立)。齋藤は「ポジション争いが激しくなるのは分かっている。明日からがんばってセキさん(関塚隆監督)にアピールしないといけない。(予選は)ラスト1試合。絶対に勝って(五輪へ)行かないといけない」と力強く話していた。

(取材・文 西山紘平)

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