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[ヤングサッカーフェス]AFC年間最優秀ユース選手の石毛、攻撃力に加え“脅威の”ボール奪取力も

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[3.11 ヤングサッカーフェスティバル 日本高校選抜3-4静岡県高校選抜 愛鷹]

 昨年、AFC年間最優秀ユース選手賞を受賞したMFには凄みすらあった。静岡県高校選抜のトップ下で先発したMF石毛秀樹(清水ユース)は、前半33分に中盤でのインターセプトからワンツーと左サイドへの展開で先制点の起点になったほか、推進力十分のドリブル、スルーパスでも存在感を発揮。静岡県選抜が1学年上の世代の日本高校選抜を破る立て役者となった。

 特に光っていたのがディフェンスの部分。一度射程距離に入ると、相手の前に強引に身体をねじ込んで何度もボールを奪い取っていた。競り合いをことごとく制していた石毛に対しては、日本高校選抜のU-19日本代表候補FW和泉竜司(市立船橋)も「凄く上手いなと思いました」と話していたが、相手に取って最も怖い存在であったことは間違いない。

 昨年のU-17W杯で3得点を決め、U-18代表候補にも選出。今春は清水トップチームのキャンプに参加して練習試合でいきなり1得点1アシストをする活躍を見せた石毛だが、その身体は168cm、66kgと小柄だ。それでも「(トップ下である)自分のポジションで取れれば、すぐにショートカウンターでゴールまで行ける。自分の身体は小さいですけど、弱くはないとは自分でも思っている。(奪う)チャンスがあれば逃さないようにしている。そういう面では良かったなと思っています。選抜なんでエスパとかとかと違って欲しいタイミングで出てこなかったりする。守備でボール奪って貢献しないといけないと思った。取れると思ったら強く行こうとしていた」。

 ボールを守ること、ゴールを奪うことだけでなく、ボールを奪うことにも意識を大きく傾けていた逸材MFは自身の実力を見せ付けて勝利に貢献した。3月3日のFUJI XEROX SUPER CUP2012 NEXT GENERATION MATCHでは日本高校選抜からゴールを奪い、この日も両チームで最も存在感を発揮するなど、高校生活最後のシーズンへ向けて好スタートを切っている。「いい感じで入れていると思う。(全国リーグの)プレミアはシーズン通してある。自分の調子のいい悪いの波をプレミアとかで出したくはない。このままいい状態で臨んでいけたらいい」。チームも好素材の新1年生が多数昇格してきておりタイトルを狙うチャンス。「去年よりは手ごたえがある。見ている人が喜んでくれて、そして結果も出せるようにしたい」。勢い十分で新シーズンのスタートを切った高校年代を代表するMFは、次にどのような成果を手に入れるのか。目を離す事ができない。

(取材・文 吉田太郎)

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