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U-23代表FW永井と同じ50m走5秒8!圧巻のフィジカル能力持つ田鍋、U-19代表レギュラーへ「点と1対1」でアピール

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 “大器”がゲーム練習のラストプレーでそのポテンシャルの高さを証明した。U-19日本代表候補MF田鍋陵太(名古屋)は怪我のために昨年8月のU-18日本代表カタール遠征を辞退し、今回が昨年6月以来となる吉田ジャパンでのトレーニング。右MFとして出場したゲーム形式練習では、MF野津田岳人(広島ユース)が中央から縦へ入れたくさびのパスでFW白崎凌兵(清水)がDFを上手くブロックすると、その背後から飛び出した田鍋はU-23日本代表FW永井謙佑(名古屋)と同じ50m走5秒8という快足とパワーで追いすがるDFの前へ入り込み、そのまま左足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。

 今シーズン、三菱養和SCユースから名古屋入りした快足MFは93年生まれ世代の主力候補として期待されながらも、これまで怪我に泣かされ続けてきた。13年U-20W杯の第1関門に当たる昨年のAFC U-19選手権予選は怪我のためメンバー落ち。結局、シーズンを通して怪我を繰り返して最後まで満足いくパフォーマンスができなかった。ただ名古屋のキャンプを終えて参加したこの日は、左クロスに右サイドから走り込んでDFの頭上からヘディングシュート。また圧倒的なスピードでスルーパスに追いつき、ラストパスを供給するなど圧巻のアスリート能力で存在感を発揮した。

 練習開始当初はややポジショニングなどで戸惑ったものの、「連係は取れてきている。あともう少し連係が取れればもっといいサッカーできる」と自信を示す。目標はレギュラーとしてのAFC U-19選手権出場(11月)。「あれ(ゴール)で終われてよかったです。やっぱりスタメンで出ないと意味ないと思う。アジア予選までまだ時間がありますけど、怪我をまずしないように身体を作っていければ。点だったり、1対1でアピールしたい」。

 U-19日本代表の吉田靖監督は最終予選へ向けたメンバーについて技術面、戦術面に加えて「何か自分の特長がないとダメだなという感じがする」と語っていた。局面を個人で打開するスピードと身体能力を持つ田鍋が、U-23代表を前線で引っ張る永井同様に違いを生み出す武器を活かしてレギュラー奪取を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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