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[五輪最終予選]日本vsバーレーン 試合後の選手コメント

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[3.14 五輪アジア最終予選 日本2-0バーレーン 国立]

 ロンドン五輪アジア最終予選は14日、各地で最終戦を行い、C組のU-23日本代表はホームの東京・国立競技場でU-23バーレーン代表と対戦した。後半10分、MF扇原貴宏の同代表初ゴールで先制すると、同14分にも約半年ぶりの先発となったMF清武弘嗣が追加点。2-0の快勝で勝ち点15に伸ばしてC組首位を確定させ、5大会連続9度目の五輪出場を決めた。

以下、試合後の選手コメント

●FW大津祐樹(ボルシアMG)
―1トップで先発したが?
「あんまりやったことはなかったけど、前線でつぶれ役になろうと。点は取れなかったけど、勝ててよかった。サイドの方が持ち味は出るけど、その中でも勝てたことが一番よかった。ここでホッとしたというか、一段落できる。向こう(ドイツ)のサッカーに集中できるし、しっかり向こうでプレーしてアピールできるようにしたい」
―ドイツでの経験を踏まえてこのチームがロンドンで結果を残すためには何が必要?
「向こうでサッカーをすることで向こうのスタイル、外国人の強さを学ぶことができる。先に勉強できたし、もっともっとがんばりたい。日本の良さは、個の良さもあるけど、チームワークやパスを回せるところ。個の部分を上げるのも大事だけど、チームプレーを忘れちゃいけないと思う」
―2点目の場面はニアでつぶれ役になったが?
「ニアにボールが来たら僕のゴールになっただろうし、ファーに来たから清武のゴールになった。僕は常にゴールを目指しているし、自分のところにボールが来なくてもチャンスになる」
―なかなか点が入らなくて焦りは?
「ボールを走らすことで向こうの選手も取りに来ざるを得ない。焦れないで日本のサッカーを続けようと思っていた。後半は予想どおりスペースが空いてきた。いい展開になったと思う。苦しい時間が続いたけど、相手も最初は集中している。だんだんスペースができてきたし、焦りはまったくなかった。タカ(扇原)がいいタイミングで点を取ってくれたことが大きかった。あれで落ち着いてプレーできた」
―1トップの役回りは?
「中盤の良さを消さないこと、得点を取りに行くことを考えながら、チームの良さを生かすことを意識してやった。ポストプレーをこなしたり、クロスに飛び込んだりということを意識してやっていた」
―クラブでもFWだが?
「1トップはなかったですね。2トップの一角。背負ってプレーしたのは、プロ1年目以来ですね。背負う形も新鮮というか、新しい感じだった。ああやってポジションの幅を広げていければ、自分にとって成長になるし、そういったところでいろんなポジションできるのはネガティブなことではない」
―やれたこと、やれなかったことは?
「競り合いは負けなかったし、クロスプレーもそう。もう少し中盤との距離感は詰めないといけないかなと思う」
―日数が足りなかった?
「そこは言い訳にはしたくない。移動のことも。それは関係ない。実力だと思う」
―PA内に侵入する回数が多かった?
「あそこの中でプレーすることによって、ゴールがより近くなるというか、あまり(ボールを)受けに行きすぎても、1トップなので。中盤で回してもらうときに参加したいというか、あそこの組み立てをやりたい気持ちは強くあるけど、そこで我慢して、真ん中というか、そこから裏に飛び出すことをやっていかなければいけないので」
―オリンピックの印象は?
「自分が目指しているというか、世界につながる大会。自分の成長につながる大会ですね」
―目標は?
「突破できたことはいいこと。次は試合で活躍するというか、本戦で活躍しないといけないというのはありますね」

●FW原口元気(浦和)
―戦う姿勢が見えた。
「もとから自分は戦う選手だと思っているけど、毎試合あれぐらいできるようにしたい」
―前半は中でプレーすることが多かった。
「今年は(浦和で)中でプレーしているから、チームでやっていることが代表でも生きている。プレーの幅が広がっている。逆にちょっとドリブルをやっていないので、もう少しドリブルができたらいいと思う。きつい戦いだったけど、苦しいときもまとまってきたということが相手を上回ったのだと思う」
―先制のアシストを振り返ると?
「あそこは狙えとハーフタイムに言われた。中盤ではたくのもいいけど、ニアゾーンでもうひと仕事して来いとセキさん(関塚監督)に言われたので、そのとおりあそこに走り込んでひと仕事できたので、良かったかなと思う。ゴールを決めたのがタカ(扇原)だったからね。それも良かった」
―最後は足がつるほど、運動量も多かったが?
「全体を通しては納得できていないし、点も取れたと思う。チャンスがなかったなら仕方ないけど、あったのに取れなかったのは悔しい。でも、戦う姿勢とかチームのためにというところは表現できたと思う。難しいときもあったし、苦しいときもあったけど、チームがまとまると力が出るなと思った」
―ロンドン五輪に向けては?
「今まで代表に縁がなかったけど、やっと自分たちと自分の力で勝ち取れた切符なので、でも本大会に出られないと意味がないので、チームに帰っていいパフォーマンスをして選ばれないといけない。オリンピックではメダルを取れるようにしたいです」

●MF清武弘嗣(C大阪)
「相手がもっと出てくるかと思ったけど、引いてきたので難しい試合だった。前半、踏ん張ったので、後半はいいサッカーができたと思う。楽しかったし、充実した4日間だった。この試合で結果を出さないとと思っていた。よかったけど、(山口)螢からのパスは決めないと。今日、唯一悔いが残るところ」
―予選を振り返ると?
「アジアの厳しさを知れたし、その中を勝ち抜けたので力もついたと思う。もっともっとレベルアップして世界に臨みたい」
―五輪本大会に向けては?
経験で済ますのではなく、メダルを目指したい。やれるチャンスがあるし、(メダルを)取れるチャンスもあると思う。時間はあるし、調整していきたい」
―チームの成長を感じた?
「気持ちも入っていたし、個々のレベルも上がっていた。いいチームだと思うし、Jで結果を残して、もっといいチームにしたい」
―ゴールシーンは思い切り振り抜いた?
「いい位置にこぼれて来たので、ぶち込んでやろうと思った。うまく気持ちがボールに乗ってくれた」

●MF扇原貴宏(C大阪)
「自分が出たら自分のプレースタイルでチームに貢献しようと思っていた。シリア戦はベンチで悔しい気持ちもあったし、チームの結果が付いてこなかったことが一番悔しかった。マレーシア戦で先発に戻って、絶対に勝ちたかったし、結果が出たのがよかった。チームとしても選手が入れ替わる中で結果を残して、五輪出場も決まった。チームがブレずにやれたことがよかった」
―ユースでの悔しさもあったと思うが?
「U-19のときはケガをしていて、予選をテレビで見ることしかできなくて歯がゆい思いをした。五輪に出たいというのは、そのときから思っていた」
―五輪本大会に向けては?
「最低限のノルマを突破しただけ。ここからポジション争いもある。メンバーに残って、本大会で結果を残せるようにしたい。チームでいいパフォーマンスを見せ続ければ、チャンスは来ると思う」
―ハーフタイムにどんな話をした?
「焦らずボールを回していこうと。後半は相手も落ちるだろうからと話していた。実際に落ちてきたし、前半は(原口)元気の特長を生かせなかった。僕が引いて比嘉が高い位置に行って元気が中に入る場面が多かった。元気に単純に預けて仕掛けさせようと話していた」
―得点シーンは高い位置まで上がっていったが?
「前半、あそこまで(高い位置に)行ってなかった。行けばチャンスになるかなと思って。(原口)元気がいいタイミングで出してくれて、ミートすることだけを考えていた。思い切り蹴りました。得点を取りたいとは常に思っていた。最終戦で結果を残せてよかった」
―得点後に指を上に向けていたのは?
「デビューする前におじいちゃんが亡くなって、自分がプロで活躍する姿を一回も見せられなかったから」
―オリンピックという大会の印象は?
「世界にアピールできる数少ない大会なので。それに出場できる最低限のノルマはクリアできた。しっかり本大会のメンバーに残って、活躍できるようにしたい」
―2次予選はベンチ外だった。
「悔しい思いもしたので、その分、最終予選では自分が結果を残せるようにというか、試合に出て、予選を突破できるようにと思っていたので、自分が出て、予選突破を決められたのでうれしいです」
―得点場面では、なぜ、あそこにいけた?
「前半はボールを回す位置が低かったこともあるし、前半、見ていて、ゴール前に行く人数が少ないと思っていた。ちょっと高い位置に入っていけたら行こうと思っていたので。そういう意味でスペースがあったので、いいタイミングでボールを出してくれてよかった」
―原口が左に張ったのも効果的だった。。
「前半と違って、元気がサイドでタメをつくってくれたので、やりやすくなった」
―国立で3万人、そして初ゴール。
「オリンピックのかかった試合で、チームとして結果がほしかったので、取ることができてよかった」

●MF東慶悟(大宮)
―清武のゴールのパスについて?
「大津くんが前に行っているのが分かっていたので、DFをかなり引き連れるなと。(清武)弘嗣くんがちょっと見えたので、ちょっとマイナス気味に出せば、抜けてくれるかなと思ったので、ちょうどいいところにいきました。マイナス気味に出したけど、もっとマイナスのイメージだった。相手の近くに(ボールが)行ったけど、大津くんがうまく走ってくれたおかげで通りました。まぁ、最終予選の1試合目、弘嗣くんが(パスを)出してくれたので、恩返しになったかなと。これでチャラっすね(笑)」
―ずっとやってきて、一番成長した部分は?
「チームとしては精神的に強くなったと思う。アウェーのシリア戦(1-2)で負けて、悔しい思いをした。それも成長につながったと思うし、オリンピックでは、より相手が強くなると思う。その中でどういうサッカーをするか、自分がどこまでできるかを試したい」
―またポジション争いがある?
「そうですね。これ(予選)はこれで終わりなので。またオリンピックに向けて時間はあるし、チーム、Jリーグで、しっかり結果を出すことが大事かなと思う」
―今日の1トップはやりやすい?
「自由にみんながやっている感じだったので、そこまで1トップとか、だれがどことかいうことよりは、みんながいないところに動いて、空いたところに動くというイメージでやっていた。後半は特にそういうイメージでできたと思う」
―後半はサイドの選手がやや外に張り出した?
「やっぱりサイドを突かないと。相手がブロックをつくってきたので、サイドを崩そうという意識はあったと思う。前半やってみて、(ハーフタイムで)修正した。相手がブロックをつくってきて、それでラインを高く上げてきたので、監督やスタッフも言ってくれたのですが、サイドからしっかり(チャンスを)つくろうと、声をかけました」
―ゴールの瞬間は?
「ホッとしましたね。まだ決まっていなかったけど、点を取ることが重要だったので」
―ロンドン行きが決まった瞬間は?
「ホッとしたのが一番ですね。長かったので、良かったなと思いました」
―ずっとチームにいて10番もつけてきたが?
「10番っていうのは、これで(ロンドンに)行けなかったら恥ずかしいというか、自分にとって代表のキャリアが悔しいものになっていた。だから、まずは責任を果たせたかなと思う。みんなもキャンプや親善試合をすることで、すごく成長していったと思う」
―アジア最終予選は?
「すごく大変でしたね。簡単に勝てる相手はいないし、アウェーは特に簡単ではない。すごく苦しんだ印象がある」
―ロンドンに向けて、メンバーは絞り込まれる。
「そこは今日で終わり。リセットすると思うので、ロンドンに行くためには、Jリーグで活躍するのが一番の近道だと思うので、チームに帰って、しっかりアピールしたい」
―自信は?
「自信があるというよりは、行きたい大会。世界を知ることのできる大会だと思うので、自分がどれだけやれるか、試してみたいと思う」

●MF山口螢(C大阪)
―ボランチの連係は?
「タカ(扇原)とのボランチはずっとやっているから問題ない。(バーレーンは)縦に速い相手なので、カバーの意識は持っていた。もう少しうまくできればよかった部分もあったけど、ある程度はできたかなと思う」
―ハーフタイムの指示は?
「別に焦りとかはなかったし、攻撃に関しては両SBが上がって、そこで取られたときにカウンターの穴が空くので、そこのケア。真ん中、真ん中になっていたので、サイドから行こうという話になった。(原口)元気を使っていこうと言っていたので、それはちゃんとできていたんじゃないかなと思う」
―CBの間で受けることは?
「だいぶ前からああいう受け方はやっていたので。そこに入ったらよりスムーズにボールも回るし、流れの中でというのは意識してやっていた」
―サイドチェンジも意識した?
「やっぱり僕個人としては、キヨくん(清武)が入って、フリーランニングができるので。いつもボールをもらう前にキヨくんを見ているので。そういう意味でサイドチェンジがあった。普段から一緒にやっていたので、そこはやりやすい。ただ、もっともっと精度は上げられると思うので、そこはもっともっと突き詰めていきたい」
―山口選手のパスから抜け出した清武選手のシュートがポストに当たる場面もあったが?
「パスが来る前から動き出しているのが見えていたので、決めてほしかったですね」
―ロンドン行きが決まったときの気持ちは?
「まずは今まで長い間戦ってきたし、いろいろ厳しい状況もありましたからね。チーム全員で乗り越えられた。このチームにいて、そこが一番成長したと思う。自分の中でも、結構、(試合に)出させてもらって成長したところはあると思う。終わったときはホッとした気持ちがありますね」
―どっちが大きい?
「最初はホッとしましたね。じわじわと喜びが来ましたね」
―予選を通して一番つらかったことは?
「移動ですかね(笑)。長い移動はあまり好きじゃないので」
―どうやって乗り越えたか?
「ゲームをいっぱい持っていったり、DVDをいっぱい持っていったりですね(笑)」

●DF鈴木大輔(新潟)
―今後の課題は?
「今日はもう少し点を取れたかなと思うし、ピンチになったところももう少し前で止められたかなと思う。細かいところを言ったらキリがないけど、そういう一つひとつのプレーの選択。個人個人が自分も含めて良くしていかないと、世界の強いチームにはやられるかなと思う」
―細かいところを良くするためには?
「サッカーの流れを読んで、もう少しゲームをみんながコントロールできるように。その状況に応じたプレーをみんなが分かれば、やるサッカーもはっきりすると思う。そういうところをみんなが分かればもう少しいいかなと思う」
―前半は攻め急いだ?
「そうですね。もう少し自分のところから(原口)元気のところとかにロングボールを入れたりできたかなと思ったけど、相手もうまく(守備ブロックを)動かせていた。こっちがボールを持っていて、何回もサイドでやり直したりして。相手も後半にはバテるだろうなと思っていたので、何回かボランチから裏にも入れていたが、しっかり落ち着いてやればよかったかなと思う」
―前半からサイドチェンジが多かった。
「やりながら感じていましたね。サイドの選手も空いているから、こっちを使えと言っていたし。ボランチもすごく良いボールを入れてくれたので、後ろは楽でした」
―それを繰り返せば後半にチャンスがくると?
「そうですね。後ろがブレずにやっていればと。(失点)ゼロを意識してやっていたので。相手も思いのほか引いてきたかなというのがあったので、そこは失い方だけ気を付けてやった。良い攻撃ができていたら、良い守備ができるというイメージは共有できているので、自分たちでボールをキープして、ああいうふうに攻撃できれば、失点は相当防げると思っていた。そこは狙いどおりだった」
―関塚監督のサッカーは予選を通して、うレベルアップした?
「アウェーでうまくいかない試合もあったが、今日やってみて、自分たちのサッカーはこういうサッカーだというのがハッキリできた。見ている人にも伝わったかなと思う。個人個人、試合の中で思っていることはあったけど、その中で今どういうプレーをしないといけないかは分かってきたのかなと思う」
―濱田と2人で全6試合に出たことについては?
「僕もアジアで戦えたことはなかったので、アジアの難しさを痛感したし、同じCBで組んで、互いのクセも完璧に分かりました。最終戦で安定していたかどうかは分かりませんが、最初よりは良くなったと思うので、これからかなと思う」
―強豪とも戦うであろうロンドンに向けた課題は?
「自分が思うには、守備のところですね。うまくいかないときに、どう守備をするか。今までだったら、うまくいかないと(自分たちが)引いて(相手に)押し込まれることがあった。でも、自分たちがボールを保持するなら、高い位置からプレスに行くことが大事だと思うので、それを流れの中でどういうふうに変えていけるかだと思う」
―監督に水をかけたのは?
「これまでの映像とかを見てですね(笑)。やるだろうなとは思っていましたけど。水を持って来てくれたので、インタビュー中でも行くしかないなと(笑)」

●DF濱田水輝(浦和)
―前半、相手がブロックをつくって攻めあぐねたが?
「内容は悪くないと思っていた。相手は勝たないといけない状況だったので、いつか出てくると思っていたし、焦らずに粘り強くいこうという声を出していた。バランスを崩して攻撃にいってカウンターというのもなかった」
―今の気持ちは?
「久しぶりにうれしかったです。解放感です。ひと段落です」
―後半はボランチが上がっていくことが多かったが?
「流れの中でという感じで、タカ(扇原)も(山口)螢もチャンスがあったら出て行くということにしていた。特に攻めろというのではなかったが、いい状況判断をしていたと思う。いい感じで崩せて、2つともいい感じでゴールが決まった」
―バーレーンが前半はあまり出てこなかったが?
「そうですね。もう少し出てくると思っていました。やりづらさはあった。でも前半は悪くなかったので、このままじれずに行こうという話をしていた」
―五輪予選で成長できた?
「はい。僕の場合はこのチームに成長させてもらったと思う。でもしっかり自分でやり続けてきた結果でこうなっていると思うし、このまま浦和でも出続けて、本戦までしっかりポジションを守って試合に出たいです。ロンドンでの目標はまだ先の話なので具体的なものは何も見えてこない。個人的にはメンバーに入って(五輪の)試合に出ることですね。チームとしての目標はまだ分からないです」
―本戦で戦うために足りないところは?
「試合に出ることによって冷静さや落ち着きは出てきたかなと思う。球際や空中戦は通用すると感じるけど、ドリブルしている選手に対しての1対1、シュートへあと一歩寄せるとかはもっと詰めないとやられると思うので、これからの課題として取り組んでいきたい」
―地震があったが?
「気づかなかったです。電光掲示板を見て、地震があったのが分かった」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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