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山村初先発の鹿島、“因縁”の神戸を完封し今季公式戦初勝利

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[3.20 ナビスコ杯第1節 鹿島2-0神戸 カシマ]

 ナビスコ杯が20日、各地で開幕し、グループリーグの第1戦を行った。B組の鹿島アントラーズはホームでヴィッセル神戸と対戦。前半29分、FW大迫勇也のゴールで先制すると、前半ロスタイムにもMF遠藤康が追加点を決め、2-0で快勝した。J1リーグで開幕から2連敗中の鹿島は今季公式戦初勝利で、今季から就任したジョルジーニョ監督にとっても初白星。一方、リーグ戦では開幕から2連勝と好調だった神戸だが、この日は先発を7人入れ替えるなど大幅にメンバーを変更し、今季公式戦初黒星となった。

 Jリーグで開幕2連敗中の鹿島は17日のJ1川崎F戦(0-1)から先発一人が代わり、故障のDF中田浩二に代わって大卒ルーキーのDF山村和也がCBに入った。川崎F戦に途中出場し、プロデビューを果たした山村はこれがプロ公式戦初先発となった。
 一方、開幕2連勝の神戸は17日のJ1札幌戦(2-1)から先発7人を入れ替えた。山形から加入のGK植草裕樹、G大阪から加入のDF高木和道が移籍後公式戦初出場初先発。大卒ルーキーのDF奥井諒が右SBで先発しプロデビューを果たしたほか、MF大屋翼、MF朴康造、FW吉田孝行、FW都倉賢が今季公式戦初先発となった。
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 前半5分、神戸がゴール前でFKのチャンスをつかみ、MF野沢拓也がボールをセットすると、昨季まで鹿島のプレースキッカーを務めていた背番号8に鹿島サポーターから激しいブーイングが飛んだ。この日は欠場したが、FW田代有三やDF伊野波雅彦ら鹿島でプレー経験のある3人が今季から神戸に加入。“因縁”めく試合は、ホームの鹿島が主導権を握ってゲームを進めた。

 現状のベストメンバーで臨んだ鹿島に対し、神戸はターンオーバーを採用。その差が立ち上がりからはっきりと試合内容に表れた。前半15分、遠藤が積極的にミドルシュートを狙う鹿島。同16分には遠藤の右CKを山村が頭で落とし、ゴール前のDF岩政大樹が狙ったが、至近距離でGK植草が体を張って止めた。

 神戸は前半19分、DFアレックスからMF小笠原満男へのパスをインターセプトした野沢が右サイドから折り返し、吉田が右足ダイレクトで狙うが、シュートはミートせず、GKがキャッチ。すると同20分、鹿島がセットプレーを生かし、先制に成功した。小笠原の左CKに合わせたのは大迫。ニアサイドに走り込むと、頭で角度を変えてゴールネットに突き刺し、チームの今季公式戦初ゴールをマークした。

 神戸は前半22分に野沢が左サイドを突破し、ゴール前にクロス。逆サイドから走り込んだ朴が右足で合わせるが、シュートは枠を外れる。同28分、遠藤のシュートがクロスバーを直撃するなど好機をつくる鹿島は前半ロスタイム、右サイドから仕掛けたFWジュニーニョのクロスを遠藤が左足ダイレクトボレー。シュートはゴールライン上にカバーに入っていたDF北本久仁衛が体に当てたが、跳ね返りがGKの背中に当たってゴールイン。鹿島が2-0とリードを広げ、前半を折り返した。

 野沢が起点となって反撃のチャンスをうかがう神戸は後半に入り、徐々に攻勢を強める。後半12分には野沢からMF橋本英郎につなぎ、スルーパスに吉田が抜け出したが、シュートはGK曽ヶ端準が好セーブ。鹿島は同20分、小笠原のロングフィードに反応したジュニーニョがPA内でGK植草に倒され、PKを獲得するが、ジュニーニョのPKはGK植草が横っ飛びで弾き、こちらもゴールを許さなかった。

 神戸は後半22分に朴と吉田に代えてMF小川慶治朗とFW茂木弘人を投入。鹿島も同23分、小笠原を下げ、MF青木剛をピッチに送った。鹿島は後半27分、遠藤の左CKに青木が競り合い、ヘディングシュートをゴール前のジュニーニョが詰めてゴールネットを揺らすが、その前にファウルを取られ、ノーゴールの判定。同29分にはジュニーニョに代わってFW興梠慎三が入った。

 早めに1点を返したい神戸だが、前がかりになったところをカウンターから鹿島がチャンスをつくる。後半32分にはGKのスローから遠藤が一気にドリブルで駆け上がり、逆サイドの大迫へ展開。大迫のクロスは味方に合わなかったが、こぼれ球を再びつないで最後は遠藤がミドルシュートを狙った。これはGKの好守に阻まれ、試合を決定づける3点目こそ奪えなかったが、神戸の反撃も最後まで危なげなく跳ね返し、そのまま2-0で逃げ切った。

(取材・文 西山紘平)

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