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[マリノスカップU-17]高校チーム勢上位の前橋育英相手にも示した強さ、柏U-18が4発快勝

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[3.26 横浜FMカップU-17大会 柏U-18 4-0前橋育英高 小机]

 26日、「2012 第4回横浜F・マリノスカップU-17」のグループリーグ最終戦が行われ、みらいリーグでは首位の前橋育英高(群馬)と2位・柏レイソルU-18(千葉)が激突。11年U-18日本代表MF中川寛斗(新3年)の先制ゴールなど4-0で柏U-18が快勝し、札幌U-18と対戦する決勝へ進出した。

 今年のユース年代注目チームである、柏U-18が前日の課題を修正してグループ首位を勝ち取った。前日のG大阪ユース戦では入りが悪く、0-0で前半を終了。先制した後半は主導権を握って攻め続けたものの、得点機を逸すると、相手に流れを奪われてPKで引き分けに持ち込まれてしまった。下平隆宏監督は「そんな強くないゲーム展開をするなよ」と苦言を呈し、前橋育英戦では「前半で3点取れ」という“ノルマ”を課したという。奮起した選手たちは期待通りにラッシュをかけて、前半に3ゴールを叩き込んだ

 この日の対戦相手は初戦でG大阪ユースを2-1で下し、昨年の全国総体優勝校・桐蔭学園高にも4-0で快勝していた前橋育英。ポゼッションは柏U-18が圧倒していたものの、前橋育英は一度ボールを奪うと、ダイレクトパス、ワンツーを交えて一気にPAまでボールを運んでくる。十分に強さを感じさせていた前橋育英だったが、柏U-18はその実力派を上回った。

 序盤こそ深めの芝に合わず、珍しくパスミスが目立った。ただすぐに本来のポゼッションを取り戻してじわじわと前進していくと前半14分、くさびのパスに食いついてきていた相手ディフェンスラインの背後をとって先制点を奪い取る。2列目から勢いよくが飛び出した中川がU-19日本代表候補MF秋野央樹主将(新3年)からのピンポイントパスを引き出すと、頭でコントロールしてからヘディングシュートをゴール右隅へ流し込む。155cmMFの珍しい頭でのゴールで先制した柏U-18はさらに21分、PAまで押し込むと最後はFW川島章示(新3年)がゴール正面から強烈な左足シュートをゴール左隅へ突き刺した。

 そして43分、中央を駆け上がった秋野が相手左SBの背後へ絶妙なスルーパス。FW吉川修平(新3年)が中央へ折り返すと、FW平久将土(新3年)が難なくゴールへ押し込んで、前半3発の“ノルマ”を達成した。秋野は「(相手が)自分達のやりやすいプレッシャーで、しっかりと背後を取れたのはよかった」と納得の表情を見せていた。

 前橋育英も決定機をつくっていた。カウンターからサイドのスペースでボールを引き出すFW外山凌(新3年)が好機を演出。ポゼッションは相手に大きく上回られたものの、守から攻への切り替え速く、攻撃の精度も高かった。中盤ではエース番号の14番を背負うMF小川雄生(新3年)が冷静にボールを捌き、MF廣瀬慧(新2年)が決定的なスルーパスを配球。精度と速さを兼ね備えたパスワークで柏U-18の堅守を攻略していた。

 ただ前半42分にCB柳沢拓希(新3年)のインターセプトから右サイドへ抜け出した外山が決定的なクロスを上げるも、FW上田慧亮(新2年)のヘディングシュートはゴール左へ。また後半24分には廣瀬のスルーパスから外山が、33分は再び廣瀬のスルーパスから交代出場のFW小口大司(新2年)が抜け出したものの、いずれも柏U-18のU-19日本代表候補GK中村航輔との1対1を突破することができず、完封負けとなった。

 一方、柏U-18は前半に引き続き、後半もゲームを支配。終盤はボールを奪われる回数がやや増えたものの、前線と中盤はもちろん、そして最終ラインの選手たちのパス精度も高く、交代で入った選手たちもレベルを落とすことなボールをつなぎ続けた。そして後半40分、敵陣PA付近でインターセプトすると、交代出場したMF白井永地(新3年)のラストパスを同じく交代出場のFW大島康樹(新1年)が右足でゴールへ流し込んで4-0。課題を修正し、改めて強さを見せ付けた柏U-18が高校チームを代表する強豪に快勝した。

(取材・文 吉田太郎)

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