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[マリノスカップU-17]新2年の山本が決勝ループ含む2発!大津が4-3で横浜FMユース撃破!

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[3.26 横浜FMカップU-17大会 横浜FMユース3-4大津高 小机]

 26日、「2012 第4回横浜F・マリノスカップU-17」のグループリーグ最終戦が行われ、みなとリーグでは横浜F・マリノスユース(神奈川)と大津高(熊本)が激突。大津がMF山本宗太朗(新2年)の2ゴールなど4-3で勝利した。横浜FMは2勝1敗でグループ2位、1勝2敗の大津はグループ3位となった。

 大津が壮絶な撃ち合いを制した。今大会、MF村上順哉とMF野田卓宏のキーマン2人が怪我のため不在で10番MF豊川雄太も先発を外れた大津に対して、横浜FMは2連勝を飾った星稜高戦、札幌U-18戦から大きくメンバーを入れ替えて試合に臨んだ。拮抗した展開を打ち破ったのは、前半25分に早くもMF野口航(新2年)を投入した大津だった。前半32分、左サイドから切れ込んだSB金澤卓巳(新2年)が野口とワンツー。PAへ侵入した金澤が右足を振りぬくと、DFに当たってコースの変わった一撃はゆっくりとゴールへ吸い込まれた。

 平岡和徳監督の好采配でリードを奪った大津はともに181cmの大型で新2年生の技巧派MFである山本とMF池田祐樹のキープ力を活かしてポイントをつくり、新1年生のMF葛谷将平や両SBがサイドからチャンスメーク。ただ主力組が先発から外れた横浜FMもMF田中智也(新3年)やMF汰木康也(新2年)らが的確なポジショニングとテクニック、そしてスペースを逃さずに狙う怖さも見せながらしっかりとチャンスをつくっていく。思い切ってゴール前へ飛び出してシュートを狙ったくるFW瀬賀悟(新2年)らが圧力をかけると40分、縦パスでディフェンスラインの背後を取ったMF田中健太(新2年)が右足で同点ゴールを流し込んだ。

 だが大津は直後の44分、SB山下純平(新3年)の右クロスをファーサイドから飛び込んだ野口が頭で押し込んで再び勝ち越した。敗れると1位通過と決勝進出が危うくなる横浜FMは後半開始から6人をチェンジ。トップチームへの2種登録をされているMF喜田拓也(新3年)や11年U-17日本代表候補のCB伊池翼(新3年)らをピッチに送り出して逆転を狙う。すると後半5分、スルーパスで中央を破って汰木が左足で同点ゴールを決めた。

 だがここから一気に相手を押し込むことのできなかった横浜FMに対して大津は18分、右サイドの葛谷からのラストパスをニアサイドへ飛び込んだ山本がプッシュ。ポストに当たった跳ね返りを自ら押し込んで三度勝ち越すと、26分にはPAでの混戦から山本が技ありのループシュートを決めてリードを2点へ広げた。

 それでも横浜FMは直後にやや集中力を欠いた大津ディフェンス陣の隙を突いて瀬賀が1点差に迫るゴール。横浜FMは同点ゴールを目指して攻撃のスピードを高めたが、43分、44分にFW宇佐見康介(新3年)が立て続けにビッグチャンスを迎えながらいずれもシュートがGK正面を突き、ロスタイムに左クロスから喜田が放ったヘディングシュートもゴール右隅へ外れてしまう。最後の難局をU-19日本代表候補CB植田直通主将(新3年)の高さと強さをはじめ、全員で守りきった大津がJユース勢撃破を果たした。一方の横浜FMは得失点差で札幌U-18を下回り、グループ2位へ転落。連覇を果たすことはできなかった。

 昨年、激戦区のプリンスリーグ九州1部を制しながらも選手権出場を逃した大津。この日は攻撃の核となるアタッカーたちが不在だったが、彼らが戻ってくるとよりサイド攻撃はキレ味を増しそう。加えて指揮官の話では今回帯同しなかった選手でも新1年生の大型CBなど、期待値の大きい存在がいるというだけに九州の雄は今年も九州、全国大会で上位に絡んでくることは間違いなさそうだ。J10クラブが注目する植田は「ユース相手に勝てたことはこれから大きな財産になっていくと思う。みんないいプレーができていたのでこれを続けられるかがこれからの課題になっていくと思います。今回は失点が多いですけれど、普段ディフェンス面では高校相手に絶対に負けないようにしている。目標は県内3冠でその後に全国制覇という目標を掲げている」。この日の勝利はチームに自信を加えた。昨年の悔しさをバネに戦う大津は逸材CB中心に今年、歴史を変える。

[写真]後半26分、大津の山本が決勝ゴール
(取材・文 吉田太郎)

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